2006年12月16日(土) |
「彼の菌 2」 (翡幸) |
翡翠氏が、幸鷹さんに、にこにこ近づきます。
「ねぇ、知っている?」
「…あなたも何ですか――」
「一緒に暮らす、恋人は、 互いの表皮常在菌が、 似てくるんだそうだ」
「――で、用件は?」
「だから、私と幸鷹は、 きっと、調べれば…」
「…翡翠」
「?」
「…これ、わかります?」
「…あぁ、CMで… 見かけるやつだろう?
除菌と消臭の…
…って、待ちなさい。 どこに、向けてるの?」
「むろん、あなたにです。
まぁ、気休めですけれど、 気は、休まります」
「――ちょっ… …ゆき。
こらっ、待ちなさい――」
〜 時間の経過 〜
「…それで、ファブリーズ… かけられたのですか…」
「そう、ひどいと思わない? 恋人に向かって…」
「…」
「うん? どうかした?鷹通」
「…いえ、そちらのお話が、本当だとしたら…」
「あぁ、そうだねぇ。 鷹通と、友雅も、暮らして長いから。
似た菌が、仲良しで、暮らしてるんじゃない?」
「(赤面)」
「…ふふ。
友雅が、帰ったら、教えてやるといい。
間違いなく、喜ぶよ、恥ずかしいくらいね」
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