MrsMの観劇日記
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2003年05月17日(土) 「北京原人 Who are you」

期待度 ★★★★☆  満足度 ☆☆☆☆☆ または ★★★★★ と思ったけれど、やっぱり ☆☆☆☆☆

 なんともすごい映画です。怒るべきか、笑うべきか、かなり迷います。
 怒れば☆5つ。笑えば★5つ。でも、最後には笑うことさえできなくなるから、☆5つ。
 前半20分、これはまじめな映画なのか、それともコメディなのか、判断に迷っておりました。内容からいったら、絶対にコメディだ。でも、コメディにしては笑えない。
 いえね、制作者サイドはかなりおおまじめだなというのは伝わってくるのです。これはきっと感動の大作を狙ったのだなと。なんでも、制作費3億とか20億とか。
 でも、あまりにむちゃくちゃな脚本です。
 基本設定自体は「北京原人の化石から取り出したDNAで原人を再生する」というジュラシックパークに負けるとも劣らないもの(のはず)。
 しかし、そのあとが酷すぎる。
 この脚本に20(3)億……わたしに脚本を書かせてくれれば、もうちょっとはましになったのに。どうして声をかけてくれなかったの? ああ、もったいない。
 夫曰く
「こんなことに使うぐらいなら、俺にくれ」
 わたしも、そう思います。

 しかし、楽しいといえば楽しい映画なのかも、、、
 つっこみどころが満載で、和気藹々と映画を楽しめます(?)。
 最後にはつっこみも力無い笑いさえも出てこない自失呆然状態になってしまうのですが、そこまで脱力させる映画ってのもめずらしい。ある意味すごい。
 最後の最後に大笑いさせてくれましたしね。「この映画はフィクションです」の文字にこんなに笑った映画はこれが始めてです。
 
 なによりすごと思うのは、この脚本によくスポンサーがついたなぁということ。だって、20(3)億よ?
 出ているキャストも豪華なのです。緒方直人でしょ、ジョイ・オンでしょ、それに丹波哲朗(いや、彼が出演しているから怪しいのかも ^^;)。プリンセス・引田天功まで出ているのよ?
 彼らは何を思って演技をしていたんだろうな。だって、みんな真剣に演技しているのよ? 緒形直人の真剣さなんてもう痛々しくって。彼、まじめそうだもんな。脚本渡されて、異議も唱えずに素直に演技をしたのだろうな。
 しかし、よく出演を引き受けたなぁ。出演料を積まれたか? 制作費20(3)億もんな。
 大体、制作会議で誰も疑問を持たなかったのでしょうか。誰も意義を唱えなかったのでしょうか。一体どんな制作会議だったのでしょう? どのような経緯をへて、この映画はできあがったのでしょう? ああ、知りたい!
 学生が自主映画で悪のりしましたっていうのではなくて、大の大人が真剣に20(3)億(くどい? 笑)もかけて作ったというあたり、感動ものだよなぁ。

 邦画はだめとか、邦画のファンタジー&SFはひどいとじゃ、そんなレベルではありません。
 
 が、この映画を紹介してくれた人曰く
「4回見たら、癖になる」
……たしかに。そうかもしれない。
 そう思ってしまう自分が、怖い(笑

 一見は百聞にしかず。
 どんなにすごい映画か、見てみます? 


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