昨年の夏に、偶然見かけたソフトボールの練習風景。 とてもうらやましくて、キャッチボールしたくて、じっと眺めて いた。 声をかけてくださった方がいて、お話ししているうちに、翌週の 練習に参加させてもらうことになった。 一昨年の9月下旬から食事制限で、かなり体重が落ちていたので、 体は軽かったが、筋肉もおちていた為に踏んばりがきかなかった。 愕然としながらもなんとかついて行っていたのだが、顔が真っ赤 だといわれ、休憩して頭を冷やすように言われた。 10分くらい休憩したのだったろうか。 頭が冷えてきたので、最後の部分にまた参加した。
その後、会社の夏の忙しさや、体力のあまりの落ち方に自信をな くしてしまったこともあって、練習には行かずじまいだった。 が、最初の練習の時に、わたしはバットを持参していて、毎回持 ち帰るのもなんだからと、他のバットと一緒に預かってもらって いたのだった。 そのバットは、姉のバット。 スパイクやグローブと一緒に宅配分で送ってくれたものだった。 スパイクやグローブや運動着は、姉の家に置きっぱなしになって いたのだった。 というのも、多摩市内のソフトボールチームで練習していたから。
今日は、そのバットを返してもらいにグランドまででかけた。 グランドには、一人だけ、居た。 雨が降りそうなのと、メンバーが揃わないので、練習が取り止め になったのだという。 わたしの家に連絡しようとしていたところだった。 バットを返してもらいながら、あれこれと世間話をした。 広島に行って、どこか気軽にやれるところが有ったら、ぜひとも ソフトボールを続けてねと言われた。 そうだなぁ、キャッチボールしたいなぁ。 何がしたいって、キャッチボールなのだ。 わたしは、とにかくキャッチボールが好きなので、それさえでき ればいいのだ。(が、夫は球技音痴なので、夫とはできない。)
バットケースに入ったバットを自転車の前のかごに入れて帰る道、 和菓子やのり巻を売っているお店の前を通った。 巻きものの種類を眺めていたら、かんぴょう巻きの中心付近に赤 いものが見えた。 自転車から降りたわたしは、お店のおばさんに訊ねた。 「このかんぴょう巻きって、もしかして紅ショウガ入ってます?」 「ええ、入ってますよ。紅ショウガ好きなの?」 「はい。小さい頃食べてたのがそうだったので、忘れられなくて。」 こうして、バットの入った自転車のかごには、紅ショウガ入りの かんぴょう巻きも入れられた。
母が作るのり巻は、紅ショウガがたくさん入っていた。 姉が紅ショウガが嫌いなので、それはわたし専用ののり巻だった。
そんなことを思い出しつつ、かんぴょう巻きにかぶりつく昼ご飯。
パンパンにつまったおいなり紅ショウガだらけののり巻 幸せだった (市屋千鶴)
それは、しあわせの代名詞だった。
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