東日本大震災から昨日で1年。 長野の震度6強から今日で1年。
地震後にもぐちゃんと2人で見ていたテレビ画面に映し出された 津波の映像は、今もはっきりと思い出される。 名取川付近をさかのぼる黒い津波の画像に、不謹慎かもしれない が、「風の谷のナウシカ」の王蟲の大海嘯のようだと思った。 テレビの画面を見ているのに、とてもおそろしかった。
わたし個人は、50年あまり生きてきて、失ったものもたくさん あるのだが、その大きなものはふるさとであろう。 わたしや亡き母は、自分の都合で自分からふるさとを出てきたの だが、それでもふるさとへの思いは強い。 震災でふるさとを出なければならなくなった人の思いは、まして や原発事故でふるさとに帰れないままになっている人々の思いは いかほどかと思う。
失うものと得るものと、人生の中でどちらが多いのか。 わたしは健康な体は失ったが、一つの命と育てる喜びを得た。 生まれ育った家族の姉以外は全て失ったが、夫と子どもとの家庭 を得ることができた。 失ったものを、ただただ失くしたものと思っては悲しすぎるので、 せめてそのかわりに何かを得たのだと思いたい。
しかし、失くした命に替わるものなど何もないだろう。
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