diary…?
さわね



 大の大人の男でも

わけもなく、苦しくなることがあるものです。

たぶん。
1日という単位ではなく、ここしばらくのことがじっくりと積み重なった結果で。

仕事の帰り道、車検から戻った車を運転しながら、じわりじわりとそんなものがこみ上げてきて、どーにか、紛らわそうとして、音楽を聞くことにしました。
BOOWYだとか布袋さんとかを聞きたい気分だったのですが久方聞いていないので、手に届く範囲には置いてありません。
そんな圏内である中でベターな選択で、BZのベストアルバムをチョイスします。

BZは最高の歌とギターを披露しますが、その「重さ」は消えることがなくて、悪あがきでもするように、ステレオのボリュームを上げます。まるで10代の頃のように、窓を開けて、音楽を大音量で聴いていました。

その「重さ」がふと、「思い」に変わります。

それはあまりに唐突な「思い」。

ある人に会いたいという「思い」

古い親友。

高校時代の親友。

彼はボクシングジムに通っていた。
髪の毛をハリネズミみたいに立たせていて、
短い学ランを着ていた。

私と彼は、正反対と言ってもいいような感じだったと思う。姿も性格も。

それでも、私は彼の卒業してプロボクサーになるという夢を応援していたし、彼は私の作家になりたいという夢を真剣に聞いてくれた。

けっして上品とは言えない高校で、作家になりたいという夢を茶化さないで聞いてくれたのは、彼だけだった。

卒業後、彼は東京に出て、ある有名なボクシングジムに入った。
私は地元に残り、専門学校に通った。

1年が経とうした位で、友人の間で「彼が戻っている」という噂が流れた。
私は、にわかには信じられなくて、彼の実家に電話をした。

電話に出たのは、彼だった。

再会した。東京での話はあまりしなかった。

それでも、私たちは、週の半分ほどの夜を車で走って廻ったり、お酒を飲んだり、お馬鹿な遊びを楽しんでいた。

私が就職して2年ほどが過ぎて、ある誤解で、いや、正確には誤解ではなく、私の無神経さで、彼は私にとっての「人生の部屋」から出て行ってしまった。

あれから約7年。

もちろん常の生活では忘れているけれど、こうやって、時々、「思い」が顔を出す。

いくらカーステレオのボリュームを上げても、この車はフェンダーミラーのローレルではなく、よそよそしいプジョーなのだ。

「時間は立ち止まりはしない」

実は、自分の脚本で公演をやるとなった演劇集団esでの1回公演のときに、彼にチケットを届けようと思ったし、2回公演のときにも思った。
けれど、できなかった。

言いたかったのだ。
「僕はまだ諦めていないよ」と。
そして、
「本当にまだまだ未熟なものしか書けないし、努力が足りないけれど、それでも応援してくれる人や僕の書くものを好きだと言ってくれる友人や仲間がいるんだよ」と。

3回公演のチケットをもうすぐ作成に入ります。
私は、また同じ思いに揺れるのかもしれません。

苦しみを消化していけるのは他の誰でもなく自分だけしかいなくて。
私はその消化するために、「すべきこと」がわかっていて。
だから、「すべきこと」を「しよう」。

カーステレオでBZが歌います。
「これは人生の何分の1かだなんて良くできた腕時計で計るもんじゃない〜♪」


〜〜〜少し書きすぎました。次回の日記を書くときに、この日記は消します。(笑)〜〜

2005年09月16日(金)
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