2005年07月25日(月) 映画「ヒトラー〜最後の12日間〜 |
邦題:ヒトラー 最後の12日間(2004・独)
原題:The Down Fall
監督:オリバー・ヒルシュビーゲル
出演:ブルーノ・ガンツ、アレクサンドラ・マリア・ララ、コリンナ・ハルフォーフ、ウルリッヒ・マテス
さて、映画の話。念願の「ヒトラー」を観た訳です。
前評判通り、すごい映画だった。
エルサレム紙「戦争を美化している」と言われていたが、まさにそう。
自害したヒトラーの後を追って、崩壊してゆくナチス政権。
ソ連の砲撃を受け崩れ行くベルリンの建造物のごとく、
銃口を自らへ向け、次々と倒れる人々。
血の赤は全くなく。
画面は、くすんだ廃墟の色と、ナチスの制服の色で構成される。
なんとまぁ、全体が暗い映画だった事か。
バタリバタリと、ナチスへの忠誠を守り、自決する人達。
美化、と言われても無理はない。
これって、美しいのかもしれない、と感じてしまった。
宣伝大臣のゲッペルス夫人。この人が一番すごかった。
「ナチ社会以外で子供を育てたくない」と、言い放ち、
ヒトラーの死後、6人(?)の子供を毒殺。
そして、自らも、夫と共に自決する。
あと、少年少女兵の自決もすごかった。
三つ編み結った、女の子が、上司に撃ってくれ、と懇願する。
恐る恐る銃を握る兵士…こいつもまた若い。
最期、彼女は、敬礼していた。
きっと、叫んだ言葉は「ハイル・ヒトラー」なんだろうな。
後を追うかの様に、先の兵士も、頭を打ち抜く。
なんという信念!!
良い事なのかどうかはワカラン。
ただ、それが平然と行われるのが、戦争なのだろうなぁ。
カミカゼを思い起こす。あと、ひめゆりとか。
恐ろしいものである。
主人公の秘書・ユンゲ。
彼女に接するヒトラーは、優しかった。
部下の処刑を下すヒトラーは、鬼だった。
どっちも、ユンゲは見たわけで。
だからこの映画は出来た。
ヒトラーって、なんなんだろうな。
ユダヤ資本のハリウッドでは、総叩きで悪役に。
しかし、この映画では…ただの人に見えた。
地下基地で、ひっそりとエヴァ夫人と略式結婚式を挙げる。
その時の彼は、やけにかしこまって見えた。
鬼の総統も、人間だったんだろうな。
だからこそ、なぜ、狂気の如きユダヤ人虐殺を行ったのか。
そして、なぜ、ソ連に負けたのか。
歴史的に知識がない為、勉強して、もう一回観たい。
以下お馬鹿感想。
なんで、ナチの制服はあんなにかっこいいのか!!!
ソ連軍人出てきたけど、やっぱりナチが格好いい!!
戦渦で、ろくに物資もないはずなのに、なんであのデザイン。
素敵すぎる!!
そして、ヒトラーの悪名が、あの制服に箔を付けていると言っても過言では…。
戦闘中の、外套一つとっても、素敵なのである。
なんで?どうして?わからんから悩む。
そして、ハーケンクロイツがこれまた、かっこいいのである!!
これは余談だが、我が故郷のシンボルは卍―まんじ―であるが、
これを見たある外国人旅行客は、「ナチスの都市か?」と思ったらしい。
また、マンホールのマークに卍を採用したところ、制作会社が型を作り間違え、
出来たのは、なんとまぁ、ハーケンクロイツだった…とかいう笑えない話もある。
だから、ちょっとだけ親近感もあったり。
本国行って、ナチの軍服欲しいなぁ、と思った。
ミリタリーオタクなんかではないし、制服フェチでもない。
しかし、ナチの制服だけは、なぜかこの胸のときめきを禁じ得ないのだ。
でも、自分で着たい、とかいう訳ではない。
というか、アレを着た独逸男性が家に欲しい。