本日の感想文。

2002年02月19日(火) キス

チューしたくなるくらい感極まる時……。

緊張を力にする人と、萎縮する人がいる。
マラソンの高橋さんや、スケートの岡崎さんを見ていると、緊張を力にできる人なんだなぁ……と思う。メンタル・トレーニングできているのだなぁと。

今日のアイスダンスを見ていて、メダル圏内の二組(本当は三組だが)大きな失敗をしてしまった。
4位につけていたペア。3位につけていたペアがこけて、メダルがちらついたのか、最後のフィニッシュで見事なまでにこけた。
しかし、女性の方はこけた状態のまま笑顔で、これが演技なのか? と思えるほどだった。
すごい勝負根性なのかもしれない。
私たちは、それでもいい演技したでしょ? というアピールだったのかもしれない。
そして、彼女は氷の上で唖然としている相棒にキスをした。
絵になる……。明るさがまぶしかった。

実は彼女、前の日のオリジナルでも、最後演技中に感極まって相棒にキスしている。演技終了後、彼の鼻が口紅で桃色になっているのを、おかしそうにぬぐっていた。
採点競技は難しい。
最後、観客の歓声や、演技者の態度で、多少の印象が変わる可能性もある。審判だって人間だから……。

でも、計算でもそうでなくてもかまわない。
彼女は体で笑顔で、自分を表現した。相棒をいとおしむ……。大事に思うことを。
それはとても印象のいいものだった。
精一杯の笑顔は、観客に向けられていたが、もしかしたらリフトを支えきれなかった相棒に向けられたメッセージだったのではないか? などと思ってしまう。

男性が途中でこけたもう一方のペア。
演技終了後は泣いてしまった。
女性の姿は前日の野獣のような形相から、女らしい雰囲気だったのだが、採点を待つ間も泣きっぱなしだった。
しかし、彼女は泣きながらもそっと、こけた相棒の手をとっていた。
これも同じ……。
相手にとっては、キスだったのではないかな?


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