2002年03月08日(金) |
読書感想文「西の勇者」 |
文字を追うのが億劫な私……(^^; そんな姫でも、読んで正解! と思えるものがある。
最近、読破したものでは 桂木忍さんの『西の勇者』 http://k-server.org/ariawase/west/west.html これは面白いです。 わくわくどきどきが止まらない!! 目が離せないぞ! どれくらいって、地下鉄を乗り過ごしそうになるくらい……。 オンライン小説の醍醐味を味あわせていただきました。 ネタバレにならない程度に、勝手にほめほめさせていただきます。
生き生きとしたキャラクター、スピーディーな展開。 メチャメチャカッコいいわけでもない、超人ではない、普通に傷ついたり悩んだり間違ったりする。そんな一人の男の生き様を、繋がる人々をからめて、淡々と語る……。語り部としては、冷酷なほどクールです。(とくに前半) このエピソードだけで一つの作品を作れる……と思えるほど、美味しいところが詰まっていて、作者さんの発想の豊かさに驚くばかりです。
キャラクターもとても魅力的。突飛じゃないのです。カクカクシカジカなことがあれば、こんなゆがんだことをしても、ある程度許せる……というような。 だから、キチガイキャラも嫌いにはなれませんね。(^^) そして、これだけ魅力的キャラを連発しているにもかかわらず、キャラの魅力だけに頼っていないストーリーに好感が持てます。
作品の構成(というのでしょうか?)バランスに、ムラがあるかもしれません。 はしょりすぎ、語りすぎ(どちらかといえばはしょりすぎ)を感じなかったわけでもありません。 でもこれは、作品自身の問題ではなく、主人公のかっこいいとトコロをもっと見たかった姫のワガママかもしれない。 そのあたりは、番外編でフォローしてもらいたい……なんて、やっぱりワガママ。 こんなワガママ言わせるところが、実は作者さんのすごいところかもしれませんねぇ。(^0^;
オンライン小説は面白くない……と、いう人がいますが…… 素人ですから、どこか荒削りなところもあるでしょう。 出来すぎた作品がゴロゴロというわけにはいきませんでしょう。 でも、姫思うに、上手で洗練された作品=面白いわけではない。 逆に……本では味わえない煌きをもった作品もあるような気がする。 この作品は作者さんも書いていて、とっても楽しかったのでしょう。暗い色調の部分もあるのですが、フレッシュで心地いいです。読者も読んで楽しかった。 もう一度いっちゃいましょう。 「西の勇者」は、オンライン小説ならではの醍醐味を味わえる作品です。
本では味わえないって…… ……ところで……姫って、本読んでいる? あ、比較できるほど読んでいないや……。まぁ、いいかぁ……。
PS・「西の勇者」を読むきっかけは、穂高あきらさん主催の「小説福袋」です。
面倒くさがりの姫は、キャラクターがいっぱい出てくる長編だという事で、一度ひいたのです。本当にばか者だぁ。 「小説福袋」のおかげで、こんな傑作を見逃さずにすみました。 ありがたや……ありがたや……。
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