本日の感想文。

2002年03月18日(月) 贅沢な生き方

三つ並んだガラスのコップに、母が1mmの狂いもなくジュースを注ぐ。
なのに、それを分ける時はやっぱり姉妹で喧嘩になる。
最後には、「私のほうがお姉さんなのに、どうして同じ量なの?」などと、長女がふくれる。栗を分ける時も、数では決まらない。最後は秤で計る始末。
子供の頃は、つくづく貧しかったのだなぁと思う。
いや、経済的というよりも、心が……(^ー^;
せっかく計ってわけた栗が虫食いだったりすると、妹が一つ小さなところをくれたりする。その反対だと、私は知らんぷりだった。
食べ物競争に勝つためには、誰より先に好きなものに手を出すこと。私はいまだに意地汚い。1mmのジュースで争わなければならない時代はすぎたというのに。
美味しいものは姉妹3人で分けましょう……という、豊かな心が足りなかった。

「あなたは何年働いているの? それでそんな稼ぎ? バカバカしい。このビジネスを一緒にやったら、たちまちその倍は稼げて、夢をかなえることが出きるんだ」
なぜかものすごく腹立たしかった。くだらない人だと思った。
しかし、年下の男が誘ったそのビジネスは、私のまわりに蔓延した。
ハヤリ病のように、みんなそのビジネスにはまってゆく。
今、思ったことがすぐに叶う。夢をかなえることが出きる。
みんな何かにとりつかれたみたいに、夢を見始める。
いい服を着て歩く。ほしい車がすぐに手に入る。幸せになれる。
ビジネスの成功が金。金があれば夢が叶うと信じている。

昨日、TVでとある変わった人事制度のサービス業を紹介していた。
仕事が認められれば、アルバイトから正社員になれ、店長にもなれる。稼ぎもあがる。しかし、評価されないと正社員からアルバイトへ、そして首を切られてしまう。やったらやっただけ報われる……。地位も報酬ももらえるというわけだ。
でも、これじゃあ心休まる暇はなさそうだ。人間すべてが金で計られてしまいそう。

お金はいっぱいあったほうがいいに決まっている。
地位や名誉もあったほうがいい。でも、それが夢をかなえることイコールではない。
お金は使える暇がなければいけないし、地位や名誉は面倒くさいこともある。
仕事が私にくれるものはけしてお金だけじゃないし、金で買える夢は少ない。
心安らかで、幸せだぁ……と思えるほど、贅沢な生き方はない。
心貧しいところもあるけれど、とても贅沢に生きていますよ。私。

たとえば……
500円の赤ワインをダンナ様に注いでもらって、二人でチビチビ飲みながら、語りあうような贅沢。雪印の生ハムがあったら、すごい特別!
私の給料の10倍もらっている人だって、こんな贅沢はできないと思う。
(^^)……つまり、のろけているのです。


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