2002年04月05日(金) |
映画「ロード・オブ・ザ・リング」の魅力 |
おそらく、この映画を私はまだまだ見に行くと思います。 なんでそんなに見に行くの? と、言われる人も多いと思います。 そこまで価値を感じない人もいるでしょう。 そう、私も1回目見たときには正直「面白かったけれど、まぁまぁ……」程度だったのですから。
この映画のすごいところは、マニアにもそれなりになっとく出来る内容を盛りこみながらも、娯楽大作としての顔を持っているという事です。 ある意味中途半端ともいえるのですが、私は大いなる中庸といいたいです。
はじめてみた時は、映像のすばらしさに目を奪われた……というべきでしょう。 おそらく、3時間という長さで疲れた人もいたとは思いますが、結構ハラハラして退屈する暇はなかったのではないでしょうか? 3部作と知らずに腹を立てている人は何人か必ずいるようです。 映画界せこいぞ! と、思った人もいるようですが、逆に映画を作るほうにとっては、その怒りも承知でこだわった、とても勇気ある試みだったとも言えます。 それでも短いとマニアは怒るかもしれませんが。(^^;
細かなところはアレンジしていても、大筋は原作に忠実です。原文をそのままうまく引用しているシーンも多いです。 たとえばボロミアがエルロンドの館で「ギフトだ」という事を言います。また、雪山の「このような小さな物が……」と独り言を言ってアラゴルンの不信を買います。 原作では、ボロミアはこの言葉を両方ともフロドに襲いかかる前に発しています。 場面は違えども、原文を知らないのでなんとも言えませんが、同じだと思います。 ガンダルフの言葉も、どこか初めのほうで使われていたと思います。 「朝の10時……」「誰か利口なヤツがいなきゃ……ところでどこにいくの?」 などの些細なセリフも原作通りです。 こういうところが、結構マニアにはツボです。 そうそう……ビルボが話ていたトロルの岩も、原作ファンにはなぜか嬉しいですね。
深い人間ドラマがない! と感じた人もいるでしょう。 でも、実はあるのです。派手な映像と駆け足の展開に隠れているだけで……。 何度も見ているうちに、少しずづ見えてくるように魔法がかかっているようです。 ボロミアとアラゴルンの関係は、原作以上に鮮明に描かれたと思います。 (もちろん、それが嫌だという人もいると思いますが)
何度も見に行くのは不思議じゃありません。 映画は「ネタバレしたら価値が下がる」モノではないからです。 美味しい料理を食べたら毎日食べてもいいという人がいるように、何回でも見たくなる映画なのです。(いくら美味しくても毎日は嫌な人もいるでしょうが)
大いなる中庸ゆえに、原作を知らずに見る人にもマニアにも不満がないとは言えませんが、この映画は、おそらく最終的には高い評価を受けると思います。 なぜならこの映画を見て、指輪物語を再び読み返すに至った人、はじめて読んでみようと挑戦する人が、かなりいるからです。 指輪物語は、この映画によってさらに世界を広げることでしょう。
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