カタルシス
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「『SPY_N』観に行かない?」 友達のWさんからメールがあったのが先週のこと。Wさんは元々ブルームのFC集会で知り合った人だが、なかなか多趣味な人で他にも好みが共通する部分があり、ブルームとは関係ないところでの遊び友達にもなっている。今回のお誘いは“香港映画好き”という共通点が縁を呼んだことだった。 彼女自身は香港映画というよりも、映画全般が好きな人なのだが 昔からレスリー・チャンのファンといういうことで、彼の出ている作品を観ているうちに香港の映画にも目が向くようになったんだそうだ。私もレスリーは嫌いじゃないので、彼女がレスリーファンだと知った時にはえらく盛り上がったものだった。
『SPY_N』という映画は藤原紀香が主演?の日本と香港の合作アクション作品。ノースタントとのふれ込みだったが、映画館での番宣やTVCMを見た感じだとおそらく… いや、十中八九 三流作品(笑)自分一人では行かずにいたであろうところへ お誘いを受けたので、Wさんとも久しぶりだし この際映画を口実に会って遊んで来ようという気で話に乗ったのであった。
事前に映画館と上映時間を調べて決めた待ち合わせは、10:30に渋谷。早い時間の方が空いていると思い、一番早い10:45からの回を選んだ。そんなに人気のある作品ではないだろうし、初めの10分は番宣だから 10:30に集まれば大丈夫じゃない?という目算であった。 ところが…
時間通り待ち合わせの場所に着くとWさんは先に着いていて、一緒に誘ったらしいMさんと2人で何やらしきりに電話をかけている。通話を終えた彼女達に「どうしたの?」と声をかけると、 「やってないんだって」との返事。 「何が?」 「『SPY_N』」 「…え? だって始まったの先週でしょ?のんびりしてて上映が終わっちゃ困るから今日にしたハズ… 時間や映画館調べて来たんだよね?」 「うん。でも、ネットで調べたの水曜日くらいだった。昨日は確認してない。」 「…マジ?」
既に前売りを買っていた私とMさんが持っていたチケットの裏を見ながら、行ける範囲の映画館を手あたり次第にあたったが、どこの館も「昨日までで上映終了です」という返事だった。封切り1週間で上映が終わる映画なんて聞いたことないぞー!(^^;) そんなに動員がなかったのか?! ひとしきり電話をかけ終えた我々は1館だけ上映している館をつきとめた。銀座三原橋、場所的には何も困ることない所だが、 「…1日1回の上映で、時間は最終の回だって。」 最終の回と言っても19時頃なので 大して遅いわけではないのだが、その事実が判明した段階の時刻は午前11時。上映までは8時間もの余裕があった。
「…どうしようか。」 「何か別のもの1本くらい観ても良いよね。間にお茶とか食事とかはさめば大丈夫じゃない?」 「そうだねー、せっかく集まったんだから遊びましょう。」 前売りを買っていなければ、この作品にこだわることもなかったろうに、少しの安さにつられて買った前売りが かえって高くついてしまった。それでも3人で時間をつぶすのは全然苦にならぬことだし、せっかくだから遊んでしまえ!ということで ポジティブに方向転換。
まずは渋谷の交差点を渡りTSUTAYA内のチケットぴあで近郊の映画館を調べる。Mさんはちょっと抜けてSBのCD予約をしにタワレコへ向かうが、程なく戻ってきて映画館探しに参加。場所は渋谷、新宿、池袋あたりが無難だろうとターゲットを絞ると、池袋の文芸座で『ロード・オブ・ザ・リング』『モンスターズインク』の2本立てを上映しているのをが目に入った。映画好きのWさん、『ロード・オブ・ザ・リング』はもう何度も観ている作品なのに「これ良いかも!」と超乗り気。2作品合わせれば5時間くらいの時間がかせげるので、どちらの作品も特別興味はなかったけれど まぁ良いかな、と判断。観ればそれなりに楽しめると思ったし、MさんもWさんと一緒に何度か『ロード〜』は観ていて、全然観たことがないのは私だけなので 観ておいて悪いこともなかろう。と思った訳だ。 一番近い開始時刻が13:15とわかり、移動を開始。
目的地に着くと外看板に2作品の上映スケジュールが貼り出されていて、13:15だと思っていた開始時刻が12:30になっていた。12:30だともうほどない時刻なので、急遽昼食を取りやめて その回に入ることにする。出てから早めの夕食でも良いやね、ってことで。 どうやら2館を使い時刻をズラして同じプログラムを上映していたようで、13:15に開始の館も確かにあったようだ。それでも、早めに入れたことで結果的に時間のロスを減らせたので これまた結果オーライという感じ。
吹替版の『ロード・オブ・ザ・リング』は字幕に追われて画面を見逃すということもなく、私的には快適な3時間を過ごすことができた。WさんもMさんも、吹替は初めてだったから新鮮に観ることができたようだ。何でもマニアの間ではこの作品、字幕が良くない!という厳しい評価があるらしく ファンタジーのニュアンスをより原作に近い感覚で受け取れるのは吹替版の方!と言われているそうだ。観終えたWさんも 「…納得。」と感嘆を漏らした。 自称“活字中毒”のWさん、壮大なるこの物語の原作を読破している。原作付きの映画は必ず原作を先に読んでから観に行くという鉄壁のポリシーを持つ人なのだ。 不読書家の私には到底マネのできない偉業である(苦笑)
続く『モンスターズインク』の方は字幕上映。何の期待もせずに観たこの作品がまた存外面白くて、3人で大はしゃぎ。特にWさんは 「マイクの声、ビリー・クリスタルじゃないかな〜?」と言いながらエンディングテロップを凝視して、キャスティングを確認するや否や 「やっぱりー♪」と喜声をあげた。 …声で解るの?外国の役者さんが。つくづく映画好きなんだねー… またもや心底感心する。
思いのほか満足した我々は映画館を出てすっかり時間の経った池袋を歩き出した。銀座へ出るなら丸の内線に乗ればすぐなので、食事は銀座よりも勝手知ったる池袋で。と、何度か行ったことのある台湾飲茶の食べ放題へ行きたいと言われ、私が案内役になる。
制限時間は2時間。女性は2500円で食べ放題のこの台湾飲茶は、テーブルで注文し放題という形式のもの。注文を受けてから調理を始めるので、初めに蒸しものを頼んでしまうのがポイントだ。人数に合わせてくれるから無駄も出ないし、普通のおばちゃんたちが一般家庭みたいな台所でせっせと料理してくれるのが、私のお気に入りなトコなんである♪ ただ、一度行くと これでもか!ってくらいに食べてしまうので、次に行くまで間を空けたくなるのが 難点といえば難点であり… まぁ、食べ放題なんだから、食べたいもの食べたいだけ食べて良いのよね? ね?ね?!ね!!
そんなこんなで 時刻がようやく19時に近づいてきたので、膨れたお腹を抱えながら銀座へ繰り出し 冷房のかかる地下道をギリギリまで使って三原橋を目指す。最寄り駅は東銀座だったが乗り継ぎの便が悪いので銀座からの徒歩を選んだ。 東銀座は学生の頃バイトに通った駅なので近辺のことはちょっと知っている。この時目指していた映画館は任侠映画の2本立てだとか、何年も遅れた話題作だとかを こぢんまりと上映するような ひなびた映画館で、三原橋の地下をくり抜いて建っている穴ぐらのような、夜になると屋台が1・2店たなを広げるような、そんな場所だった。任侠映画の代わりに日活ポルノ系の上映がかかることもある(笑)魔都の影を少しだけ感じられる空間。
存在を知ってはいたが実際に訪ねるのは初めてだったので、ちょっとドキドキ。着いてみると小さい館が2館、大きい館(といっても規模は控え目)が1館の3館で構成されているらしく、『SPY_N』は小さい方の1館で最終の回1回のみの上映になっていた。 ちなみに、大きい方の館では『少林サッカー』が絶賛上映中だ(笑)
さて。最大の目的である『SPY_N』だが、“日本の腕利き女性ICPOが殉職した相棒の敵を追って香港に乗り込み、地元の若い警官とタックを組んで敵を討つ”というのが大筋のストーリー。予想した通りの三流映画だ。香港のアクション映画にストーリー性を求める気はなかったが、藤原紀香とアーロン・クウォックのカップリングには違和感を覚えてNG。年齢的にはアーロンの方が上のハズだが、どう見ても青二才にしか見えない(^^;) 実年齢よりも若く見える外見は彼のウリでもあるのだろうが、藤原紀香の女の迫力?みたいなものに気圧され気味で ちょっとね…。バランスが悪かった。
主演のア−ロン・クウォックという人、香港明星界の四天王に数えられるほどのトップアイドルである。アイドルっつっても日本の“若さがウリ”みたいなものではなくて、歌も踊りも役者もこなしてなおかつサービス精神が旺盛で…って人の代表みたいなもの。彼以外の四天王はアンディ・ラウ、ジャッキー・チュン、レオン・ライといった面子で、いずれも30代後半〜40代という いい大人達だ。 でもアイドル(明星)。 押しも押されぬ大スター 香港明星四天王!
ちなみにMさんはアンディ派。Wさんの好きなレスリーは一人で四天王に匹敵するくらいの人気者。私が明星系で好きなトニー・レオンってどの辺の位置にいるのかしら…(^^;)ゞ 『少林サッカー』でブレイクしてるチャウ・シンチーと同期で、2人一緒に子供番組でお子さまたちに振り回される司会者だったのにね。 この際 四天王にレスリーとトニーを足して六歌仙とか、更にシンチーとイーキン・チェン辺りを加えて八武衆とか いってみてはどうだろう。(…“歌”は良いにしても“武”ってのは却下かな/苦笑)
…いいよ、どうせトニーはロンリーウルフだから(涙)
と、いう訳でムービー&チャイナな一日、満腹のうちに劇終☆
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