カタルシス
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先月の半ば頃、どこへも行かずに家でのんびりしていた時に1本の電話が入った。日中来る電話など、大半がキャッチセールスの類なので その時も 訝し気に受話器を取った。
「F木と申しますが○○さんのお宅でしょうか?」 そら来たキャッチだよ。最近は会社名なんか名乗ったりしないでいきなり個人名でかけてくるから、本人じゃないとキャッチなのか知り合いなのかの判断がしにくい。しかし、この家には私と妹しかおらず、この時の電話は私宛てのものだったので“F木なんて知り合いいねーよ”と内心嘲り、適当にして切ってしまおうと思った。すると、
「○○さん?どうもー、こんにちわ。」 とやけに馴れ馴れしい様子で話しを始めようとするその人物に、一瞬思い当たる人物が脳裏に過ぎる 「いつもBluem of Youthを応援して下さってありがとうございますー」 「! ああ…。」 ブルームの元マネージャーF木女史だった。
この夏ブルームにはソロライブの企画があり、それぞれチケットは抽選申込になっていた。抽選にもれれば当然のことながらライブには行けない。海のものとも山の物とも知れないソロの活動にどれだけの反響があるか事務所側が読み切れなかったようで、相当数が落選になってしまうことが解った。それを聞いたアーティスト本人、元々1日2公演制だった松ヶ下氏は日を改めての追加公演を申し出、1公演の予定だった別所氏は同じ日にもう1公演追加を申し出たそうな。
電話の内容はこうだった。 「別所悠二のポエトリーリーディング19時の回は残念ながら抽選もれしてしまったのですが、急遽16時からの回を設けましたのでそちらに繰り下げ当選にできます。平日ですがこの時間ではいかがでしょうか」
当初予定の19時からの回の前に 16時からの回を1回付け足すのだという。学生には夏休みの時期だが、平日なので社会人が16時スタートでも来られるのかを確認したいようだった。私も普通に仕事をしていたら間に合わない時間だが、このライブのある週に夏期休暇を充てていたので 「休み取ってますから大丈夫ですよ」 と返答した。 「そうですか、では16時からの回でチケットお送りしますね。」
「わざわざ一人一人に連絡しているんですか?」 ちょっと気になったので聞いてみたら「はいーそうなんですー」との応え。 「…それはご苦労様です(苦笑)」 と労いの言葉をかけてから受話器を置いた。
ってか、いきなり「F木と申しますが」じゃなくて、「B●BカンパニーのF木と申しますが」で始めてくれよ!親しげな喋り方と聞き覚えのある声に「あれ?」っと思わなかったら 切ってるところだったよッ(`_´;) ちゃんとスタッフの教育をしろ!
というのが先月半ば頃の話。
で、今日はその別所悠二のポエトリーリーディング会の日な訳だ。16時の開演に間に合えば良いや〜とのんびりしていたら し過ぎてしまい、駅に着いたのが16時。会場のシアターサンモールまで西武新宿から歩くつもりだったのでバリバリの遅刻だ(苦笑) それでもそこからタクシーに乗ったり、JRから営団に乗り継ぐのも時間のロスがあって歩くのと変わらないだろうと判断し、日陰を選びながら黙々と会場目指して歩き続けた。
会場到着16:20
何の用事もなかったのに20分も遅刻してるよ(ゲラ) 当然のことながらロビーには係員以外誰もいないので入口を尋ねるついでに「何分くらいから始まってますか?」と聞いたら 「次の回があるので時間ピッタリくらいに始まっています」 あっはは、そりゃそうだよね〜(自嘲) 案内してくれた係員に一礼してから場内へ通じる重たい扉を開いた。
明かりや音を遮るために二重になった扉の 扉と扉の間で、話が一段落するタイミングを見計らってこっそりと入場。自分の席が通路のすぐ横だと解っていたのも 気が緩んだ原因かも知れないが、着座までに結構距離があったので遅刻したことにちょっと罪悪感を感じた。 でもまぁ いっか。(おい!)
ポエトリーリーディングとは読んで字の如く「詩読」である。詩の朗読。率直な感想を言わせてもらえば
かゆい。
大半を別所氏本人が朗読していたが、特にかゆい内容のもの(夢見る乙女系)は女の子に読んでもらっていた。その間彼はピアノをBGMとして奏でていて「あら、鍵盤も弾けるのね…」とちょっぴり感心する。
間間にMCを挟んで、いよいよ最後の詩読という場になってパーカッションとギターがBGMに入った。この時のゲストアーティストがパーカッションにカレイドスコープの児島さん。全然知らなかったのでちょっと驚く。個人的には児島さんよりも ギターのSUNAOさんにビックリしていた。その昔デビュー間もない頃のブルームをサポートしていた人で姿を見たのは超〜…久しぶり。まだ付き合いがあったのか!と変な興奮を覚えたものの、後に調べたらベースでお馴染みの山口くんと同じ事務所のコンポーザー兼ギタリストさんだった。そりゃ連絡なんてすぐ取れるわな(^^;)・。
客席からお題をもらって即興の詩作なんてものもやっていたが、「岐阜」という漢字が書けずひらがなを使っていた。そもそも「海」「寿司」「岐阜」が出てくる詩ってどんなんだよ(苦笑)岐阜って海ないんだぞー。 などとツッコんでみたりもし…
思ったよりは楽しめたけど、あの人はやっぱり歌ってナンボというか 歌詞とポエムは全く別物!と思ったのが結論だった。
会場を出ると次の回の人がわんさと集まって来ていて、今の回を退場する者は強制的に外へと誘導されていたが、パンフレットが欲しかった私は係員の隙をついて仕切の向こう側へすり抜けて物販を物色した。マグカップや今度出演することになっている映画のDVD等があったが、どう見ても不必要なので無視。1部500円のパンフレットを買ったのみだったが、このパンフもA4見開きの色画用紙に厚手のトレーシングペーパーが1枚挟まれただけの、見てすぐに“コピー”とわかるスミ刷りの代物だった。内容も詩の全文が載っているとか本人やゲストのコメントが載っているでもなく、目次のように詩のタイトルが並んでいるのみで、写真などある訳がなかった。
「これで500円はねーだろ…」 原価が容易に想像できるっちゅーの(--;) 毎度のことながら足元を見た商売しとるのぅ、あこぎにも程があるわ。
やっぱりムカつく事務所だ。
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