カタルシス
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今日は日中何も予定を入れていなかったのだが、急遽誘われて後楽園に行くことになった。何をしにって『仮面ライダー展』を観に行くため(笑) 夜には劇団☆新感線の舞台へ行くことになっていたので、昼から夕方までのおデートでござんす。
お相手はYuさん、昨今人気を博している子供向けヒーロー番組の若手俳優陣を差し置いて「変身した後の方がカッコイイ」と断言する人だ。私にはそんなYさんこそが カッコイイぜ!と思えてしまう。確かに最近のヒーロー番組は子供向けといいながら、なかなかのクオリティで変身後のフォルムやアイテムなんかがデザインされている。昔に比べてスマートな印象だし、とりわけ仮面ライダーには他のヒーロー作品と一線を画したデザイン性が感じて取れた。作品を重ねるごとに洗練されていくディティールは素直に「綺麗」だと思える。 そう思いながら、どちらかといったら変身前の俳優に気がいってしまう私は 年下好みの若奥様と大差ないミーハー加減であるようだ。(苦笑)
夏休みとはいえ平日の真っ昼間に我々のような年頃の客は少なく、ほとんどが小さな男の子のいる家族連れ。展示物に真剣に見入っている姿が何とも可愛らしく、突然の閃光やスモークの噴霧に おっかなビックリといった様子には顔が緩んだ。
そんな無邪気の中に混ざってテンション抑え目に盛り上がる 微妙な大人が2名(笑)
初代『1号ライダー』から絶賛放映中の『龍騎』まで、それぞれの敵方モンスターと並んで陳列された等身大の人形、必殺技やアイテム ストーリーダイジェストがまとめられた映像が映し出されるモニター。この空間に懐かしさを感じてしまうことに 女性としていかがなものか?と思いつつ、人知れず童心に還って楽しい時間を過ごしていた。
展示場を抜けると特設ステージでアクションショーが披露されていたが、開始時間が合わなかったので次の予定があった私のために ひやかしはせずに通り抜けることにした。 お土産のコーナーではライダーグッズをねだるお子様とその親御さんらの 壮絶ともいえるバトルがあちこちで繰り広げられている。いつの時代もこの「買って!」「買わない!」の親子戦争はなくなることがないのだろう。自分はあまり物をねだる子供ではなかったので実体験としての懐かしさこそ感じなかったが、子供なりに親なりに 真剣にやりあっている姿には 殺伐とした中にも微笑ましさの混在する「親子関係」を思わせた。要するに
端から見ている分には楽しい。 どっちも頑張れ(笑)
Yuさんとはその後軽くお茶などして別れ、自分はその足で次なる目的地『新橋演舞場』を目指した。
劇団☆新感線今回の公演は『アテルイ』。東北地方の伝説を元にした英雄物語だ。 毎回取れるか取れないかのギリギリ勝負でチケットを押さえているので、必ずと言っていいほど席は後方。今回は客演主演に市川染五郎がいるためか新橋演舞場での上演となっているのだが、この会場がなかなかもって曲者でなのである。
演舞場に限らず、歌舞伎を上演する会場には花道というものが当然のように存在する。正面舞台から客席を渡るように延び敷かれた この『花道』という日本演劇独特の舞台形式は、多かれ少なかれ客席に死角を生み出すものなのだ。
以前、やはり新感線の舞台をこの演舞場で観たことがあった。その時は3階正面後方の席だったので正面舞台がギリギリ見渡せるだけの視界しかなく、花道は「は」の字も見えないような状態だった。しかし役者はそんなことなどお構いなしに 花道で攻防戦を繰り広げたり 男女の恋情を見せつけるなどして 見栄を切る。この時も主演が染五郎だったので、見栄を切った(らしい)タイミングで「高麗屋!」の屋号が飛んでいた。その間私はどんな場面が繰り広げられているのか、見えぬ足下の情景を音のみで想像するしかなかった。
そして今回の席は2階中頃の列、花道の7割方が見えていたので前回に比べれば格段に状況が良い。“スッポン”と呼ばれる一人サイズのせり上がり穴が見えているだけでも大概の演出は見逃さずに済みそうだった。前回はそれすら見えていなかったので、突然現れたり消えたりといった“あやかし”の演出も見られなかったし、増してや花道の幕内から見栄を切って現れる“出”などは端から諦める他ない。 花道の最終地点が望める席は1階席と2階の左右サイドの席(それも前の方でないと無理)くらいなので、こ ういう舞台での公演がかかったら 多少無理をしてでもそういった“良い席”を狙うのが賢明であろう。要するに
ケチケチしてんじゃねーぞ と。 いつか大枚はたいてでも 花道脇の席で観劇してみたいものだなぁ…(当分無理)
劇団☆新感線の舞台は毎度3時間近くの長丁場なので 間の休憩時間で軽食を済ませたりする。事前にお弁当を買っている人が多いが、貧乏人は身の程をわきまえてコンビニでパンやおにぎりを調達しておくのが普通だ。そして休憩のブザーと共にロビーのソファを陣取るべく 足早に移動を始めるのがコツなのである。 グズグズしているとソファはおろか 飲みのもを買うにも お手洗いへいくにも 長蛇の列だ。限られた時間を有効に使うためにも 動きは素速く迅速に。 観劇はチケ取りから休憩までが争奪戦なので、銭のない者は時間で点を稼ぐしかない。
何気にハードな娯楽なのだ(笑)
ソファに腰を落ち着けて おにぎりを頬張りながら、さ〜 残り1時間半も気合い入れて観るぞ! ってな。
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