カタルシス
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BBS NIGHTでの衝撃の告知から早2週間。例のSBワンマンの日がやって来た。 愛知の花緯さんは何とか都合ををつけて来られたようだったけれど、日数がギリギリだったために夜バスのチケットが完売で新幹線で帰らなければいけなくなってしまった。つまり終電の時間は早まる訳で、ライブを中座しなくてはならない可能性があるということ。わざわざ遠くからお金と時間をかけてくるのに、途中で帰るなんて無念なことこの上ない。ひいきになるから実際には出来ないだろうが、遠方の人には いの一番に情報を提供してあげて欲しいとさえ思う。そうでなきゃ開演時間を早めてみるとかさ。日曜なんだから出来るでしょうが。もうちょっと考えろってんだ!ブー!!
さて。夕方にライブを控え、私はYuさんと映画を観てから会場へ向かうことにしていた。昨日Sさんが話していた『仮面ライダー』と『ハリケンジャー』の劇場版。周囲の噂によればなかなかのデキだそうで、既に何度も観たというリピーターが数多くいた。というか、多分それって舞台挨拶目当てなんだよね、私の友達そういうの好きな人多いから…(苦笑)
映画を見終わってそのままライブ会場を目指すのに丁度良い時間を選んで、Yuさんとは渋谷で待ち合わせをした。駅の近くに上映している館があったので、今日のライブ会場・曼荼羅のある吉祥寺へも移動が便利だし そこへ観に行こう。という話になったのだった。
後楽園の再来というか、案の定というか、周りは子供連れの家族ばかり。前の回が上映中だったので次の回を待つ客は階段の方で列に並ばされるのだが、小さい子ばかりなので妙に視界が開けている。並んでいるのに変な感じ(笑)
連日満員の大盛況と聞いていた割には余裕があって、場内に入っても席に困るということはなかったが、それでも上映時刻が近づくにつれ どんどん入って来る客がいるのにはちょっとビックリした。こんなに人が入った映画館にいるのは『少林サッカー』公開初日の時くらいだな… なんて。よくよく考えてみたら人が集まるようなメジャーな作品を観に行くことがほとんどない。例えば人気作品でも『ハリー・ポッターと賢者の石』は翌週に同作のDVDが発売されるというようなタイミングで観に行ったので、一通りブームが過ぎ去った頃合だ。並んだり席取りに躍起になったりなんて全く必要がなかった。
場内が暗くなったので座席に着くとまた、普段にない違和感、前の席の背もたれから上に
頭がない。
そう、背もたれより背の高い人がほとんどいないのだ。1列に2人くらいの割合で肩や頭が見えていたが、その他はぜーんぶ お子様ってこと。 思わず後ろの席の子を振り返って「見える?」と聞いてしまいそうになる。
上映の順序は『ハリケンジャー(30分)』→『仮面ライダー(1時間半)』TVのようにCMがはさまらない分少し長めではあったが、ハリケンジャーの方はきっちり30分で話が終わった。内容も子供向けらしく単純明快な勧善懲悪。解りやすいし終わり方がスッキリ明るい感じだった。
そのあとに続いた『仮面ライダー龍騎』の方はというと、ちょっと難解。大人が観てもTVシリーズを見ていないとなかなか世界感が掴めないのでは?と思わせる間接的な表現が多かった。ところどころに前作の『仮面ライダーアギト』の出演者が出てきたりと、サプライズな仕掛けもしてあったが 子供よりもむしろ、俳優目当てで来ている大人の女性客から 喝采を得ていたような気がする。
ぶっ通しで1時間半という上映時間は子供の集中力がもたなくなってくる長さである。グズり出したり、体をモゾモゾさせたりする子が段々増えてくる。全体的に暗めな画面が不安を煽るのか、後半は泣き出す子もチラホラあって とても『家族で楽しく映画』といった雰囲気ではなかった。ストーリーも“自殺”が絡んだりラストは“戦いはこれから…”的な 子供向けにあるまじき展開がつづき、大人の私でさえ「おいおい、そんなんで良いのかよ…」と半笑い状態。
小さい子にはシリアス過ぎだろ。
正義の所在がハッキリしないので 誰が勝つのが良いのか解らないし、戦いの意味そのものが後半ウヤムヤになってくる。だいたい、自分の望みを叶えるためにライダー同士で戦い合うという基本路線からして 子供のための物語ではないのだ。
大人の目で見れば、それぞれが織りなす人間模様や それぞれの事情を考慮して、悩み苦しみながら戦いを続けている若者たちの姿に 思い入れる部分があるのだろう。やたらに細かい設定や凝った演出、時々思い出したように押し出される笑いの要素、若くしなやかで 面立ちの整った俳優陣。確かに良くできた繊細な作品だが、その特筆すべきポイントは 全て大人をターゲットにしている。
それがどうにも気持ち悪い。
大人を狙うのなら大人の番組にすればいいのに、わざわざ子供を巻き込んでいるところが いやらしいのだ。元々多いくらいのアイテムは バージョンアップや新兵器の装備等が加わり、おもちゃや関連グッズは星の数。大人向けのストーリーと俳優で親世代の気を引き、特撮を駆使したアクション場面で関連アイテムを印象づけ 子供の興味を釘付けにする。
目に浮かぶような露骨な戦略に 覇気を失うようだ。
見終わった後の個人的な感想 『忍風戦隊ハリケンジャー』大人の目で見たらただごとじゃなく強引なストーリーだったが 子供向けとしては◎ 『仮面ライダー龍騎』大人的には意味深で面白い作品だったが 子供向けとしては成り立っていない。 自分が見ている分に面白いのは仮面ライダーの方だけれど、釈然とできないのもこっちなんだな…(苦笑)
以上『特撮ヒーロー作品の変遷における個人的評価と疑問点』の論議を終わります。
映画館を出た私とYuさんはそのまま井の頭線に乗って吉祥寺へ。吉祥寺の駅前で花緯さんと 別口遠征のYoさんが合流できる時間だったので、メールで連絡を取り合いながらの移動だった。 駅に着き電話をすると すぐに2人と合流できたので、そのまま会場の曼荼羅を目指す。
会場に着いてみると列にはなっていなかったが入り口付近に何人かの姿があり、中からリハーサルの音が聞こえていた。内心“え、まだリハなの?”と時計に目をやる。もうそろそろ開場時刻である。
開場が多少遅れるのは構わないが、開演時間が後ろにズレ込むと 帰りが決まっている花緯さんはそれだけライブを聴いていられる時間が少なくなってしまうのだ。こっそり心配していた私の横で、当の本人は切実な面もちでマネージャーさんに「開演はどうか時間通りに!」と懇願していた。 本当に頼むよ もう。
そんな願いが聞き入れられたのかどうか定かではないが、程なくして開場となり さほど遅れることなくライブは開始された。『スプリングベル アコースティックワンマンライブ 真夏のJukeBox』と銘打っている割に9月だし。 真夏ってどうなのよ?(苦笑)
ステージにはアコースティックギター(AG)とエレキギター(EG)が2本ずつ用意されているし。 なんだ、フルアコじゃないのか。 EGが当たり前のように置いてあるのが ちょっと期待はずれだった。
前にも述べたことがあるが、私はスプリングベルに関してはアコースティックギター2本で演るスタイルが『完成形』と思っているので、最近アコ&アコで演奏してくれないのが 非常に残念でならない。夏に思い余って本人に聞いたことがあったが、「色々試してるだけだよ 気が向いたらアコアコもやるよ」と適当に さもテキトーに流された。そして最終的には「事情とかもあるけどそれは お客さんに言う事じゃないし」と言われてしまい、引き下がるしかなかった。 気持ちがすっぽ抜けた感覚だった。その時の当たり所のない感覚は未だに尾を引いていて。スッキリしないまま毎回のライブを聴くことになってしまった。
ああ、何でこんななっちゃってんだろ自分…(苦笑)
でも、今回の演奏はフルアコでないけれどそれほどEGに違和感を感じないで素直に聴くことができた。EGでもアコ寄りに演奏ができるものなんだな、と ちょっと感心する。そして何よりも春山さんがあの黒いギターを弾いている姿を見られたのが嬉しくて、やっぱりあのギターが好きだな… と再確認してしまった。 グレッチもカッコイイし 綺麗だから好きだけどね。『スプリングベル』にはあの黒いのが似合ってる。
ふと、前に座っていた花緯さんが ごそごそし始める。あ!と思って時刻を確認すると 彼女が設定していた制限時刻まであと数分といった頃合いだ。残念なことにライブはまだ続いている… 「…行くね」 曲の切れ間で中腰に移動を始めた花緯さんが すり抜けざまに耳元で囁いた。最前列から中座する姿はメンバーたちにもハッキリと見えていたことだろう。知り合いの何人かも彼女に向かって小さく手を振っている。下がった後も花緯さんは 後ろで少し聴いていたようだったが、いつの間にか姿を消していた。余程 後ろ髪を引かれたことだろうな、と その心中を察してもの悲しくなる。
次からはこんなことがないように、早めの告知をお願いしますよ!(半怒) アンコールでグッズのTシャツを着ていたのは可愛かったけど、そんのくらいじゃ許しません。 そこんとこ夜露死苦!
あ、ライブ自体は良かったです。←割と重要(^^;)
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