カタルシス
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2002年09月26日(木)  塞翁失馬 

健康に生んでくれてありがとう お母さん!
とでも言いたくなるような 爽やかな朝。
寝る前に薬を飲んだとはいえ、昨日の不調がうそのように元気全開な自分に 我ながら感心してしまう。

と、なったら今日の目標は当然 グルタミンライブ!だよね♪
出番の時間ギリギリくらいの到着だったけれど、会場に着いたらまだ外に常連さん達の姿があったのでホッと胸をなで下ろす。前売りを買っていないからデスクいかなくちゃ… と入口に入りかかったら、道路を挟んで向かいにある自販機の前で ハリマオの夢立さんが「よ!」って声をかけてくれた。何気に私はこの兄さんも大好きなので、向こうから声を掛けて貰ったのが嬉しくて走り寄って行ったら 彼と一緒に地面に腰を降ろしている面々の中に 春山さんがいた…
「!」
昨日の今日で 何となく気まずさを感じてしまい、一瞬ひるんだところに「おう」と、これまた向こうからお声がかかった。しかも笑顔付き。 …うわ(予期せぬ事態に激しく動揺)

反射的に何か言ったような気がしたけど 何を言ったか自分でもよく覚えていなくて、SBに出会ったばっかの頃の“あがり症”が再発したみたいだった。(あ、ちなみに“対ハルヤマ型”なんで相手が春山さんの場合にのみ発病します/苦笑) 実は昨日家に帰ってから色々と反省したのでお詫びの手紙でも出そうかと思ってたトコだったんだよね、本当に。だから本人がいるのを見つけた途端「書いてくれば良かった!」って思って大後悔。

余程間を空けてしまったのか、不意に「風邪は大丈夫?」と付け加えられた時には 慌てて「お陰様で持ち直しました」なんて変テコな返事をしてしまった。そもそも昨日は吐き気と頭痛がしたという話であって、咳が出てた訳でも熱があった訳でもなかったから『風邪』だかどうかは怪しいもんだったんだけど、そんなことよりも“不調”だったことの心配をしてもらったことが有り難すぎて、つまらないツッコミなんて今の私の口に上りようがない。(笑)

その場のぎこちな〜い間を打破するが如く 夢立さんが立ち上がって「そろそろ入ろ!」と一言。腰をおろして一服していた面々がバラバラと立ち上がって移動を始めた。ああ、そうだグルタミンのライブだよ…
と、当初の目的を再認識した私はグルタミンのデスクで「チケットありますか?」と尋ねてみた。万一前売りが残っていたらラッキーかな、と思ったんだけれど「メンバーが持って中に入っちゃってて。もう出番だし私もいかないと…」という返事に「そうですよねーギリギリですもんね、失礼しました(苦笑)」と彼女の背中を見送る。

さて。当日券を買おうと窓口に行きかけた私に夢立さんが「これちゃん」と声を掛けてきた。何だろうと思って振り返ると、どうやら先ほどのやり取りを聞いていたらしく「中入って豪ちゃんにチケット貰ってくるからちょっと待ってて」と言い残し、La.mamaの階段を一段飛ばしで駆け下りて行っちゃった…
え?え?マジで?? 夢立パラメーター急上昇の瞬間。 ぎゅーんっ!(笑)

数分後。階段を一段飛ばしで駆け上がってくる夢立さん、申し訳なさそうな顔で「ごめんスタンバってて無理だった…」とハァハァいってる。チケットの差額300円なんてもう、どうでも良いですー!ありがとー!この上なく感激しましたッ!!
私ゃもう何回もお礼を言って、頭を下げて、急いで当日券を窓口で買って、夢立さんの後を追うように会場へ駆け込んだ。

一体今日は何の日よ? 嬉しいことがあり過ぎて怖えぇッ!!

最近赤マル急上昇中のグルタミンさん。新曲はないって言われてもグル初心者の私にはまだまだ初めて聴く曲の方が多くて新鮮なのだ♪ 5月にバイクメンと対バンになった時は途中からしか聴けなかった上、爆音過ぎて余韻も何も 残らず なぎ払われた感じだったし、7月にハリマオと対バンだった時もスピーカーが近くてイマイチ集中して聴けなかったという半端な記憶でね… それでも8月にCDを買って聴いた時はウロコが落ちたというのか、耳からウロコが吹き飛んだ。「うわー!うわー!」って言いながら聴いてた。そこで初めて『生で聴かなきゃ!ライブ行かなきゃ!』なんて焦り出し、今に至っているという話。相当な鈍チンだよなぁ…
ちなみに今日のだと『発光オレンジ』と『ブラックリストマン』がお気に入り♪ 他のも良いけど今はこの辺がヒット中☆

終わってから外でアンケートを書いてVo.の豪さんに渡した。「これさんサンキュー」と大げさに言って受け取る仕草までがカッコイイ。 ち!この人完璧過ぎだぞ。何気に“名前”をちゃんと呼んでくれているのも嬉しいポイントなのだ♪
本人がどれだけ意識してるのかは解らないけれど、相当他人を気遣う人だってのは割と早いうちに解ってた。一見 俺様ベイベーみたいな感じなんで時々ギャップに驚かされる。ついさっきもそんな彼の配慮を思い知る出来事があったばかりだ。

演奏終了後、客席に出てきた豪さんがキョロキョロしながら歩いているから 何だ?と思って見ていたら、私を見つけて「いた!」って言う。へ?私ですか?? と身構えたら「はいこれ。」と言うのと同時にグーにした手を目の前に出してきた。反射的に掌を上に向けたら 開いた長い指の間からチャリチャリッと落ちてくる金属音…
「?」
「当日券で入っちゃったんでしょ?これ差額」
「!!!」
見ると私の手には百円玉が3枚乗っている。 何だ?!何がどうなってこんな事態に???
「夢がさっき来たときにチケット渡せなかったから」
…………ッうわー!マジですか?!

「そ、そんなの気にしなくて良かったのに!」
思いも寄らないことだったので声がひっくり返ってしまった。そもそも前売りを頼んでおかなかった私がいけないんだから、夢立さんや豪さんに そこまでしてもらう理由はどこにもない。
だって夢立さん、今日はお客さんなのに…
だって豪さん、それって自腹でしょ?
たった三百円の話だけど こんなに感動させられることがあるかいよ?この従兄弟コンビには足を向けて寝られないっス!

本当に何の日なんだ一体!!

アンケートを渡してからその辺をくるっと見回して、春山さんがいるのを確認する。プライベートで来ている時にズルいかも とは思ったけれど、昨日のことを謝っておきたくて意を決した。この際ちょっとくらい大目に見てもらおう、来るとは知らずに会えたんだから運が味方してくれてんだ! …なんて小心者の自分にエールを送る。

「春山さ…」
声を掛けようとして足がとまった。マンションの階段に腰をおろしていた春山さんは、それだけでこっちを見上げてくれたけど 隣にいる人までこっちを見てる。
「……スーさんも来てたの?」
ニヤっとしてSBの鈴木さんが「あ」と「お」の間みたいな発音の返事をくれた。

今日は一体何の… 日?

声を掛けたものだから何か話されるのだろうと、私を見上げたままじっとしている春山さんに気付いて慌ててその場にしゃがみ込んだ。鈴木さんは逆隣りにいる人と話を始めている。
え〜と、何から言おうか…

「昨日は余計なこといっぱい言ってごめんなさい。お詫びの手紙を書こうかと思ってたくらいでした。」
あ、結構ちゃんと言えたな。偉いぞ私! でも視線は合わせられなかった… 反省。
盗み見るように相手の顔色をうかがったら、お得意のはにかみ笑顔で
「ううん、超気にしてないぜー」って。言ってくれたのは良いんだけど、少しは気にしてて欲しかったりもして…(苦笑) 「超」までつけられてヘコみそうよ(涙)
でも、それは多分この人なりに気を遣ってくれての言葉だろうと勝手に解釈をすることにしておいた。
「そうだ、あの子からもFAXもらったよ。Sさん…だっけ?ほら、こんな字を書く…」空に指で記した文字はMさんの名前の最初の一文字。ああ、彼女も昨日のこと気にしてFAX送ってたのか〜…
「M.Sさん?昨日一緒にいた人だよね。」
「そうそう。ありがとうって言っといて。」
「はい。」

その後は普通の話をしてたと思う。ポケットから携帯が見えていたので「auですね?」ったら、そこから抜いて見せてくれた。イヤ、見せられてもボタン押す訳にはいかないしな… ああ、この機種は仕事でツールを作ったから機能を知っているなぁ〜 なんてことを考えながら すぐに返した。それから自分の携帯を出して「私のはこんなん」って見せたら 取られちゃった。折りたたみ式のカメラ内蔵タイプだがメモリの許容量が少なくて画像も着メロも大して保存できない。ハッキリいって使えないぜ(苦笑)見ているとやっぱりボタンを押したりはできないようで表や裏を見ているだけの様子に思わず顔が緩む。返してもらおうとしたらストラップに注目して「これ何?」と聞いてきた。何かと思えばルーペに興味を持っているようだ。
「ああ、それはルーペ」簡単に使い方(と言っても覗く向きくらいだけど)を教えると目にあてがってあちこち覗き始めた。その様子に隣にいた鈴木さんも反応を示して、私の元に返ってくるハズの携帯電話が目の前を素通りして今度は鈴木さんの手に… そのルーペ、そんなに面白いのかな?(^^;)

ふと、思い出してルーペで遊んでいる鈴木さんに声をかける
「そういやスーさんもTu-Ka なんですよね?どの機種使ってんの?」
何を隠そう私は稀少価値すら出てきそうな少数派Tu-Ka のユーザーなのですよ。鈴木さんもそうだって以前に聞いたことがあったので本当かどうか聞いてみた訳だったんだけど、普通に「僕のはコレ」とポケットから出して見せてくれた。見るとそれは随分と古い機種で…

「…結構年代物ですね。普通に使えてるんですか?」←バッテリーがもたなくなってくると思うんだわ
「電話はできるよ」
「電話“は”?」
「メールはできない」
「あれ、でもメールできる機種でしょ?これ」
「申込してない」
「しないの?」
「毎回店員とかにも言われる。けどしない。」
通話よりメールでのやり取りが主な私には、何で〜?って思う答えだったけれど、必要ない人もいるだろうからね。人それぞれだわ。
そんなやり取りをひとしきり済ませてから携帯を返してもらった。

会話中 少しケホンッとむせたら、「風邪大丈夫?」と聞かれた。今日はこれで2度目だ。昨日より…というか、すっかり元気なので本当にちょっとむせた程度だったのにね。気にしてもらえるのは嬉しいけど、何ともない分罪悪感が…(苦笑)
「風邪なの?僕も僕も、おそろいだね。」
という鈴木さんの声で我に返る。「風邪なの?」とオウム返しのように言ったら「真似すんな〜」と返された。「明日ライブなのに大丈夫?」と加えたら「どこだっけ?」って。おいおい兄さん(^^;)

「大宮だよ。私は行けないけど頑張ってねー。」
「何だよ 来ないのかよ」(春)
「大宮遠いし今回出番早いでしょ。昨日と今日来るのに仕事寄せちゃったから、明日は泣くほど残業しないと…」
「明日アコギだぜ」(春)

…え?

な、何ですと?!?!

「え?ええ?アコギって春山さんが?!」
「うん」
「あの黒いギターで?」
「そう」
「……」


ウソーッ !!!(◎◇◎;)


何で?何で? 何で明日なの〜ッ! 明日は絶対行けないよ、何があっても無理だってばよ!! 大ショックー!望みに望んだアコ&アコでSBが聴けるチャンスをみすみす逃すなんて、私のバカヤロー!!(号泣)

嬉しいこと続きのオチはこれか!

 こ
 れ
 な
 の
 か
 !!
(悔)


打ちひしがれた私の様子を察したのか
「またいつか気が向いたらやるからさ」と励ましっぽい声をかけてくれた春山さん。隣では鈴木さんが
「横浜とか大宮とか遠いよなー」と独りごち。
「そう、大宮や横浜は平日きついよー」と、どさくさに紛れて文句を言ってみたら
「僕もそう思うー。何で横浜なの?って。大宮入れんの?って。」と鈴木さん。

「横浜はミュージックアワードとかにエントリーするためじゃないですか?前にココロさんがそんなこと言ってましたよ」
「俺も聞いたことあるよそれ」と、鈴木さんの隣にいた彼らの旧友 I さんも会話に参加。
「あ、そうなの?」
「…なんで部外者が知ってるのに 本人知らないんスか」
「僕なにも聞いてないよー はるやんは?」
「俺もよく知らない」
「………。」
何か、聞いちゃいけない話を聞いてしまったような気がしたのは 私だけなのだろうか。昨日のことを謝ったばかりだし、今日はプライベートで来てる2人なんだから 余計なことはもう言っちゃダメだぞ私!黙ってろ私!!

「…あの、よく話合ってよね。マジで。」
このくらいの意見は大目に見てー!(困涙)・。+*+

それからしばらくして鈴木さんが「帰るわ」と一人立ち上がった。他の皆さんはこの後どこかへ流れるみたいだったけれど、本当に帰ろうとしている彼の様子に 風邪気味っていうのがどうやら本気の発言だったらしいと やっと信じる気になった。(おいおい) そんなら丁度良いし、私もここらで帰るとしようかな。豪さんに重ねてお礼を言い、退散の挨拶をする。

別れ際、駅とは違う方へ向かう鈴木さんに
「スーさんもしかしてバイク?」興味があったので聞いてみたら
「うん」
「見して!」
「やだ!」
即答かよ(--;) 「ちぇー。」

歩きながら鼻を啜る仕草を見せていつものニヤリとした笑顔をつくる彼。風邪ならバイクなんかで来ちゃダメだろうさアンタ(苦笑)
「風邪こじらせないようにね。明日ライブなんだからね。」
「おう、まかせとけ」
誰にまかせろとゆーとるんじゃ あの口は!(^^;) と思いつつも、笑ってバイバイ 手を振った。


みんなの姿が見えなくなったのを確認して、私はおもむろに電話を手に取る。滅多に通話しない私がこの時かけた相手は2人。
昨日一緒に春山さんと ぎこちない会話をしたMさんに「FAX ありがとうって言ってたよ」と伝え、
「SBはアコ&アコが良い」という私の意見に賛同してくれた埼玉在住のRさんに「明日の大宮はアコ&アコだって!」と伝えた。


明日のことは無念だけど、昨日と今日のライブには行けて良かった。
先に遊んじゃったから 明日は大人しくお仕事しまさぁ…(涙)トホ。




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塞翁失馬=人間万事塞翁馬(にんげんばんじさいおうがうま)

意味:人生の運・不運や幸・不幸は予測できないものである
故事成語より


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