カタルシス
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2002年10月19日(土)  アタシの考え方って間違ってるの?(ーー;) 

午後6時半を目指し、雨の降る中 集合団地の集会所に向かう私。

今住んでいる集合住宅にケーブルTVが引かれることが決まったと、回覧が回ってきたのが確か夏の初めの頃だった。年内には約780ある全ての世帯に対し 工事を済ませるというプランであるようで、最近では業者の車両が頻繁に目に入る。

ケーブルTVの導入に際し、インターネットの回線もケーブルを使用した方が処理速度が早くなるだろうかと考えていた私は、今加入しているプロバイダーのままでもケーブルが使えるのかどうかを確認したくて、面倒とは思いつつ業者の催す「説明会」とやらに こうして雨の中出向いてる訳だ。

実は今日はヴェスのライブが西荻窪である。出番は20時20分頃だそうなので遅くても19時半には駅に向かっていたかった私は、時間が来たら説明が途中でも 質疑応答が途中でも 中座してやる!と考えていた。質問しそびれてしまったら、後日業者に電話でもすれば良いと。そう思ったのだ。

集会所に着くと部屋に用意されていたイスの大半が埋まっており、参加者の顔ぶれはみな中高年。“ケーブルってなに?”とでも言いそうな雰囲気でザワザワと世間話に興じている最中だった。ざっと見回してみたが私のような年齢の存在は 全くの皆無だった。

説明会開始予定の時刻となる。
さぁ、さっさと話を始めてくれ!と思っている私の内心を無視するかのように業者の代表が
「雨なので出足が悪いかも知れません、もうしばらく待ちましょう」と挨拶をする。

…なんですと?

あのさー、常識的に考えたら事前に開始の時刻は告知されている訳だし、こういう不特定多数があつまる集会で“遅刻して来る人”を構っていたらキリがないじゃない。遅れて来る方だって時間に間に合わなけりゃ途中からの参加を覚悟しているハズだし、そんな人達を待っていたところで感謝されるってもんでもない。
むしろ、時間通り・時間前にキチンと集まった人に不快な待ち時間を強要するだけで 失礼なことこの上ないと思うのよね。何でちゃんと集まった側が 集まらない側のために 土曜の夜の18時半〜なんていう夕食時っぽい時間を裂いてやらにゃあ ならんのよ。もしくは私みたいに この後用事がある人が他にもいるかも知れないじゃん。

業者の安穏とした態度が 雨と差し迫るタイムリミットにイライラしている私の癇を逆なでた。

ああムカつく 何てノータリンな大人達 ホント脳足りん。

結局15分遅れで説明会は始まり、ざっと大まかな説明をした後で 質疑応答の時間を設けるとのことだった。配られた冊子に添って… というか冊子の内容を読んでいるだけ。
「……。」
言って良いかな。 冊子を読むだけなら自分一人でできるっつーのよ!
なんなんだよーこの集まり。時間を裂いて来る意味あるの?
施工業者と協定プロバイダーの説明担当者が交互に読み合わせをしている中、悶々と時計を睨んでいる私であった…

そんな愚鈍な読み合わせに30分付き合ったあと、やっとお待ちかねの質疑応答の時間がやってきた。私に残された時間はこの時点であと約15分。今までの読み合わせの中には私の聞きたかったことが盛り込まれていなかったので、質問して確認するしかない。
「では質問のあ方は挙手を…」
「はい」
「あ、はいそこの眼鏡の男性」

ええー?

指されて 立ち上がったのは30代半ば〜後半くらいと思われる痩せ形の男性で、独身というよりは一家のお父さん といった風体。質問の内容も専門的なことを聞いていて、上っ面でしか物事を理解していない私には ちと解らない世界のやり取りだった。当然周囲の中高年はチンプンカンプンといったご様子。あんまり素直に表情に出しているので、つい忍び笑いが漏れてしまった。

おおっと、他人の質問に呆気を取られている場合ではなかった。残り時間も差し迫ってきているし、次の指名を得られなければ 中途退場決定だ。私は先述の男性が着座すると同時に手を挙げた。

「既にプロバイダーに入っている場合でもケーブルを使用してインターネットができますか」
今回の事業に加わっているプロバイダーとは違う会社と契約している私は、その会社のwebスペースを借りてHPを運営していたため、アドレス変更等も含めどうなるのかが知りたかった。聞きたいのはこれだけだったのに、何と長い道のりだったことか。
「ケーブルをご使用になられる場合は当社とのご契約が必須です。メールアドレス等については現在のプロバイダーとの契約を切らずにいればお使い頂けるハズですが、その場合その会社と当社の2社と契約をすることになってしまうので不経済かと思われます」

は、実に明解に答えて頂いたわ。要は乗り換えが必要な訳だ。一旦席について手元のプロバイダー案内に目をやると、そう安くはない料金が提示されている。まぁ今のままでも大して困っていないし、契約やHPの移植の手間を考えたら しばらく様子を見ても悪かないな、との結論に達する。独占市場なのか、やたらと強気な価格設定にちとムカっ腹が立ったのも原因の一つだったし。
そこまで考えて手早く資料をまとめると、身支度を整え そそくさとその場を退場した。
時間ないんだってばよ(苦笑)


降りしきる雨の中 西荻窪の駅前を歩く。ヴェスのライブは雨が多いような気がするのは気の所為なんだろうか…
何とか出番前には着けたようで、受付に据えられたTV画面には まだ前の出演バンドと思しき演奏が映し出されていた。
既にパンパンになっている傘立てに自分の傘をねじ込むのが忍びなくて、開け放ち固定してあるドアの裏側のノブにこっそりと柄をかけて入場。入った途端にOさんと鉢合わせた。お互い手を振って挨拶に代え、私は彼女の隣に陣取りをする。どうせ声を掛けたところで演奏中の音がすごくて聞こえやしないことは解っていたから敢えて声を掛けることはなかったけれど、不意にOさんがチョンチョンと肩をつついて来たので 何かと思い視線をくれると、手にしたフライヤーの一点をしきりに指して見せている。
「?」
ヴェスのフライヤーだけど、何?… 暗闇の中しばらくその指の先を見つめていたが、そこに書かれた文字を判別して やっと彼女の言わんとすることが解った。

次回の対バンに『The 29 Joke』!

つまりBAMBI。
日程はひと月先だったけれど、事務所からは発表されていないスケジュールだったしヴェスと一緒なら喜ぶ人もいるだろうと思って(嫌がる人もいそうだけど/苦笑) ライブ終了後、即行でメールを打って何人かに知らせた。特にBAMBIのファンサイトを管理しているYuさんと 愛知在住の花緯さんには、なる早で伝えなきゃ!という使命感に燃えていたもんで(笑)

Yuさんに知らせれば皆が彼女のHPでスケジュールを知ることができるし、花緯さんは休みを取ったり交通手段を選んだりする余裕ができるから。本来事務所がしっかり告知してくれていれば しなくても良い心配なんだけれど、9月のSBワンマンのこと(ワンマンなのに当日2週間前に告知)があったし 向こうを立てて黙っていても良い方向には転ばぬだろうと思ったのだ。我ながら「信用してないんだぁ…」と苦笑いである。

おおっと、すっ飛ばしてしまったけれども ヴェスだよヴェス。
彼らは本当、毎回同じテンションでスゴイと思うよー。客も会場も天気も何も選ばずに 常に同じ姿勢で取り組む潔さ。カッコイイぞー!そんな部分に惚れているのだ♪
たとえ客が引き潮に乗って行ってしまっても、彼らは津波を起こして浜を荒らし海を盛り立てる。それなら呆然と被害を眺めているよりも 大波に乗ってしまった方が良いじゃない 楽しいじゃない。

そんなステージ。
ヴェスのステージ。


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