カタルシス
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2002年11月22日(金)  思い いろいろ 

待ちに待ったバイクメンライブの日v
仕事帰りに吉祥寺曼荼羅へと向かう足取りも軽やかだ。

ちょっと早めに出て駅前のユザワヤでお買い物。
一昨日の店から「大きなポスター用のフレームが見つけられないので買ってきて欲しい」という連絡があったので仕方なく私が探しに出ることになったのだった。今日のライブ会場が吉祥寺だったのは幸いし、荷物にはなったが何とか無事に求めるサイズのフレームが購入できた。
もう週末だから社から送るとなると月曜に発送して火曜着となる。それでは時間がかかり過ぎて気の毒だし そもそもこんな大きなフレームを持って朝のラッシュに紛れるなんてこと私がしたくない。明日は休みだけど自宅から近い店だし、ちょっと寄って置いて来てあげるか… と明日の予定が何もなかったことを頭の中で確認した。

さてバイクメンライブ。

春山さんはスプリングベル、葛迫さんはカムステで演奏を見ることができていたけれど、タロさんは本当前回のライブ(9/25?)ぶりなんでウキウキ&わくわく、早く会いたい。

久しぶりなのもあったし、今月18日がタロさんの誕生日だったんで何か用意して行こうと考えた結果、お酒好きの彼にお酒のプレゼントは集中するだろうから、敢えて別のものを選ぶことにした。さんざん迷った挙げ句手にしたのは 何のことはない菓子の詰め合わせだったんだけど(苦笑)タロさん甘い物大丈夫だし、持って帰って奥さんと一緒に食べてくれたら良いな〜と思ったんだ。

ライブはやっぱり行って良かった。スプリングベルで悶々としている春山さんはバイクメンの方が楽しそうに見えたし、葛迫さんのドラムはやっぱり好きだ。そしてタロさんは何とお子さんが誕生されたとの発表があった。これは目出度い!

まさに良い夫婦(11/22)の日!

終演後、外に出るといち早く葛迫さんが登場。取り囲んでくだらない世間話のようなものをしていたら、続いて春山さん・タロさんも出て来てくれた。私は葛迫さんとの話が途中だったんでしばらくそのまま続けていたけれど、キリがついたところでタロさんに近寄って声をかける。

「タロさーん、お子さん誕生おめでとう。それからタロさんも誕生日おめでとう。これ良かったら奥さんと一緒に食べて下さい。」
と値段の割に見栄えのする健気な詰め合わせを差し出した。

彼は一瞬ビックリしたような顔をして、それから何とも言えない和やかなタロウスマイルを見せる。
何度も何度も「ありがとうございます!いやー悪いなー…」と頭を下げてニッコニコしている姿には こっちまで眉の下がる思いだ(笑)大した代物ではないけど渡せて良かったな、と思えた。
私の方こそ そんなに喜んでもらえて嬉しいや、ありがとうタロさん♪

今日は出番が遅かった所為であまり長く話せない人がいたんで、比較的終電までに余裕があった私はメンバーとの会話を他の人に譲って 一応様子だけは伺いながらしばらくの間Mさんと話をしていた。春山さんを囲んでいた人達がバイバイと手を振ってその場を離れ始めると、撤収作業があったのか春山さんもすぐにライブハウスへの階段を降りていってしまい「あ、捕まえるタイミングを逃した?(苦笑)」と出遅れを後悔。余裕があると行っても微々たるもので、そろそろ我々も帰らなければならない時間だ。

今日は声かけるの諦めるか〜…

と思いながらも未練がましく階段の下を覗くと葛迫さんの姿が見えた。
Mさんが皆に配っていたチョコの余りを出して「葛迫さん、もっと食べません?」と声をかけたら「食う!」と即答、満面の笑みで階段を上がってくる。
その様子が何とも彼らしくて可笑しく Mさんと2人思わず吹き出した。

「春山さんにあげ損ねちゃったんでこっちは春山さんに渡して下さい。」と2回に分けてチョコを渡すMさん。
「おう、ちゃんと渡すよ。んで、こっちはもらっちゃって良いの?」と弾む声で返答する葛迫さん。
いやホント、兄さんのそういうところが大好きさ!(笑)

じゃあねバイバイと 駅に向かって歩き出した我々は最近のスプリングベルのことや今日の春山さんのことを話していたのだが、駅が間近に迫ったところで急に歩みを止め、どちらともなく
「やっぱり春山さんに一声かけてから帰ろう!」
と慌ただしく踵を返した。

「今日のライブはいつになく春山さんがカッコ良かった」

と、どうしても言っておきたかったのだ。

会場に戻ったものの、外には誰もおらずMさんと二人がっくりと肩を落とす。それでも最後のあがきで階段を覗き込んだら、誰もいなかった踊り場に携帯電話を耳にあてながら人影が現れた。

…!春山さんだ(驚)

あまりのタイミングに思わず腰が引けた。

電話中 階上で大人しくしていたら、通話を終えた春山さんが上をふり仰いでくれたので おいでおいでしてみる。何の違和感も見せずに上がって来てくれる様子が嬉しい。

「いつもありがとう。こんな遅くまで大丈夫?」
「微妙に大丈夫でもないんで もうすぐに帰るけど、どうしても言っておきたくて戻ってきたの」
「?」
「今日の春山さんはカッコ良かった。久々にカッコ良かったよ!」
「“ひさびさ”かよ〜(笑)」
だって本当だもん。

ここんとこの春山さんは重た〜い顔してステージに立ってる。スプリングベルの時なんてそれが顕著に解るから 見てて辛かった。

Mさんが丁寧に感想を述べている。
彼女の感じ方も私のそれと近いニュアンスを含んでいて、そのうち春山さんも真顔で話を聞くようになっていた。返答するにも ちょっと考えてから言葉を選んで話してくれてるのが解る。

「バイクメン楽しい?」そんな質問を投げかけると、
「楽しいよ」とすぐに返事が返ってくる。

「スプリングベルは?」
「…うん 楽しいよ」
その「間」は何。

本当は全然言う気のなかったことだったけど、その「間」に苦笑を浮かべた顔をみたら
我慢し切れなくなった。
「…本当に?ずっと辛そうに見えてたけど。」
「…そうかな」
「そうだよ。」
「……。」
「何が引っかかってるのか話せとか言わないけど、辛いんだったら無理にライブしないでも良いんじゃない?少しお休みしてもみんな待ってくれると思うよ? 少なくとも私は待つ。」
春山さんが少し笑った。

両手を上着のポケットに突っ込んで、ちょっと肩をすぼめたいつものポーズで 寒いのかしきりに体を左右に揺らしている。反応がないのがちょっと怖かったけれど、言っちまったもんは今更飲み込めないし 本当に思っていることを素直に伝えただけだから、これを不快に思われてるのだとしたら 私自身が不快だってことだ。

考えたら ちょっとヘコんだ。

でも言ったことは後悔しないぞ。
するもんか。

「…ありがとう。でも、大丈夫だから。」
少しの逡巡のあと柔らかく言われた。
無視されるのかと不安に思っていた私はその声色に安緒したが、その表情には心配が残った。

とても“大丈夫”って感じじゃないんですけど…

Mさんもそう思ったのか、私に心配そうな目を向けてくる。
それきり黙ってしまった春山さんを これ以上引き留めるのは酷だよなぁ…と思い
「じゃあもう時間だから帰るね」と明るめに声をかけて辞退することにした。



ああ、またやっちゃたよ…
前にも三茶で似たようなことして反省したんじゃん自分(泣)
困らせたい訳じゃないのにー
大好きなのにー
どうしてもっと上手くやれないんだろなー…

帰り道Mさんにそれをこぼしたら「私も同じだよー(苦笑)」と言ってくれた。

はぁ… 二人でため息。


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