カタルシス
DiaryINDEX|past|will
先週フラれたベラルーシ料理のお店へ再チャレンジ! 出かける時間を決めるために「何時からなの?」と妹に尋ねたところ「さぁ?」との返事 おいおい 調べておきなさいよ(苦笑)
「11:30に出よう」と言われたのが10時になってからだったので ちょっと慌てて支度にかかる 天気が良かったので洗濯物なんかしちゃってて メサメサのんびりブッこいてたもんで(汗)
結局10分ほどオーバーしてしまい 電車に乗れたのが12時ちょっと前 そのまま真っ直ぐ六本木に出て 目的の店に到着したのが13:15だった 店内は先週のように閑散としておらずテーブルはセッティングされていたし照明も入っている 道路側からそれを確認してホッと安堵の息をつく
『CLOSED』
「ええ?!(汗)」 入口の外に出された譜面台にメニューが広げて置いてあり その上に乗せてあるプレートには『CLOSED』の文字 よくよく確認したら土曜の営業は14時からだったらしく 要するに今の時間帯は『準備中』なのだ
私「…だから確認しろって言ったじゃん」 妹「ご ごめ〜ん…」 平日は1000円のランチがある店だが 土曜のメニューには単品とディナーコースしか載っていなかったので おそらくランチはなしと見た まぁ これもちょっと予測していたことだったので
私「せっかく来たし面白そうだから多少高くても食べて帰ろう」 妹「アズ・ユー・ライクです 何でも言うこと聞きます」
という訳で ここで食べるのを決めたのは良いとして のこり45分間をどう潰したものだろう 涼めるような施設はないし 店も全然見当たらない また六本木まで引き返すのはできれば避けたいので 店の周辺をクルリと回ってみることにした
坂を少し下って住宅地に入ると マンションと木々に囲まれた小さな公園が見えた 砂場と滑り台とブランコとベンチがあるだけのシンプルな造りだったが きちんと整備されていて小奇麗な印象だったし 時間帯の所為か人気がない 更には全面的に木陰になっていて都合が良い ブランコに腰掛けて足を振れば自前でも風が起こせるし 高い建物の隙間に位置した場所なので すり抜ける風もなかなかのものだった
一歩公園に踏み入れた瞬間 どこからともなくハトの群れがバタバタと羽音を立てて一斉に降りてきた 思わずひるんだものの ハトがなんぼのもんじゃい!と奥へ進んで行く我々 を 何くわぬ顔で取り囲むハト …何故逃げない
私「…誰か餌付けしてんな」 妹「間違いないね」 ヤツらを無視してブランコに腰掛けると しばらく辺りをウロついていたヤツらも「餌がもらえない」ことが解ってきたらしく 降りてきたときと同じように一斉に飛び立って 公園前の通りの電線に一羽残らずズラリと並んでとまった
フン 一昨日来やがれってんだ
入口を背にしてブランコに乗ると 公園の一番奥の正面に何かの碑があって その脇にトラ猫が1匹こちらに背を向けて座っているのが見えた ピンと背筋を伸ばして碑の裏側を見つめているような様子である 私らは何となくその猫の観察を始めていた
程なくして碑の向こうから同じようなトラ猫が出てきた 毛の様子はそっくりだったが サイズが若干小さいので 子供かな?と思う じゃれたり 寝転んだり 座って一点を見つめたりしている2匹を実況付きで見ていた我々の視界に いつの間にか薄いグレーの毛をした猫がふてぶてしい動きで入り込んで来た
ありゃ誰だ? さっきの親猫が母親だとしたら こっちは親父かねぇ?
よく動くトラ2匹とは対照的に ベンチに伏せたまま目をつぶって微動だにしない灰猫 丁度正面からその寝姿を見ていた我々には 彼(勝手に雄と判断)のフォルムがお饅頭のように見えて それはそれで笑える図になっていたのだが…
トラ2匹がこちらを警戒しながらブランコの脇までやって来た 我々が何もしないと解ると 注意を入口近くの砂場の方へと向ける 砂場は一段下がった場所にあるので我々の位置からは何があるのか見えなかったが 猫達には何かが見えている様子だった
「何見てんだろ?」 「さぁー…」 ふと 灰猫の元へ一旦引き上げる2匹 寝ていた灰猫がのっそりと動き出し先ほどまで2匹がいた辺りへ出てきた こちらを伺う気配はまるでない トラ2匹は灰猫の少し後ろをついて行くといった立ち位置で やはり灰猫は父親か 或るいはボスといった立場の猫と思われた
ギあ! バサバサバサッ…
突然の奇声と羽音に驚いて振り向くと 砂場に降りる段の手前にいた灰猫の姿が消えていて いつの間に降りていたのかハトの群れが またぞろ一斉に飛び立ち電線に並び直した トラ2匹がササっとスロープを降りて行く
ハトを驚かして遊んでいるのか(笑) そんな猫の生態を観察しているうちに時間が頃合になって来たので 妹と2人店に戻ろうと公園の入口に向かって延びるスロープを降りる 降りきったところの砂場に何気なく目をやれば 高さ1m程の段から飛び降りた灰猫の着地点らしい深めの足跡が見えた その延長線上に大き目の… 穴?
先を行く妹に続こうと首を捻った瞬間に 目が 合った
「? …おねえちゃん?」 無言のまま立ち止まっている私を訝しく思ったのか 妹が数歩引き返して来て 固まった私の視線の先を目で追う 「うわ!」
猫がいた
2匹のトラ猫を間近に従えた あの灰猫が
バサバサとわななく一羽のハトを咥えて 立っていたのだ
妹の声に少々身じろいだものの 灰猫はしっかりとハトの喉元に喰らいついたまま その息の根が止まるまで決して顎を緩めそうにない 2匹のトラ猫は少し距離をあけた位置に座って彼をジッと見つめていた
うおお!見事だ親父!(勝手に父猫と決め込む) オトコだよあんた!「漢」と書いて オ ト コ !
六本木のこんな閑静な小さな公園で 猫の野生を目の当たりにしようとは ついぞ思わず 妙な感動と興奮に包まれて もう 褒めちぎる 褒めちぎる 改めて砂場を見やれば 穴の脇に1枚の羽が落ちていて 入口を出てすぐの道路には数枚が散乱しているのに気がついた
あの一瞬の間に命の大格闘が繰り広がったんだ…
レストランのことを思い出して公園を後にするものの その3匹の猫がムショーに気になって 何度も何度も振り返り歩いたのだった
…本題だったハズのベラルーシ料理のネタが何やら霞む勢いで打ち込んでしまったが そのくらい驚愕の出来事だったということをご理解頂きたい 普通見れないって あんな場面
思うでしょ? でしょ?!
『ひげよさらば』1984〜1985年/NHK ------------------------------------------------- ベラルーシ料理の内容 Aコース(1人前) ●フレッシュトマトのガーリックチーズ ●鰊とビーツのサラダ [毛皮を着た鰊] ●ミンスク風ボルシチ ●パン(3種) ●豚肉のサワークリーム煮 [マチャンカ] ●デザート(チョコケーキ) ●コーヒーor紅茶 単品 ○豚肉を使ったオードブルの盛り合わせ(3種が3つずつ) ○焼きキャベツのクレープ包みサワークリームソースがけ
以上を2人で食べました
『ミンクスの台所』という名前のお店です コースは一人分のハズですが かなりのボリュームです 2人分頼まずに単品を2品プラスしましたが その等分でも多いくらいでした
単品の料理は正確な名称が思い出せなかったので 料理の内容を説明しています
ベラルーシとは「白いロシア」という意味だそうです なんでも「白」は「自由」の象徴であり ロシアより自由な国風だったためにそう呼ばれるようになったとか? 位置的にはロシア西部 ポーランドとの国境地帯にある小国で 古くからロシア・ポーランドの影響を受けてきた土地でした
ベラルーシ料理は野菜が中心で特にジャガイモが多用されています 代表的なのは『ドラニキ』というジャガイモを潰し小麦粉と卵をまぜて焼いた料理です ハンバーグのような見た目 中にひき肉が入ったタイプもあります
肉は豚がメインのようです 魚はお店の人に「ベラルーシはあまり魚美味しくない」と言われたくらい(笑) あとはクレープを使った品がメニューで目につきました
何が美味しかったって ボルシチに入っていたキャベツと クレープに巻かれた焼きキャベツが一番でしたね 火が通っているのに歯ごたえが残っていて ほんのり甘いの 火の入れ加減が絶妙でした〜v
どれも美味しかったんですが 唯一食べ残してしまったものが1品あり… それはオードブルの盛り合わせの中にあった『豚肉の脂の塩漬け』(汗) 本当に脂ですよ しょっぱいしロウソク食べてるみたいでした お店の看板支配人ヴィクトリアさん(まさに東欧美人)にお聞きしたところ 「ベラルーシの人 これをおつまみにウォッカ飲むのが大好きです」
だそうです(苦笑)
DiaryINDEX|past|will
|