あの頃の二人の思い出を胸に目覚める朝が進もうとする足を止める。伝えられない言葉だけが増えていく。二度とは会わない人。もう笑顔も忘れた。仕草も口癖も思い出せないのに。忘れようと決めた心がまた挫ける。いつまで過去をひきずればいい?明日になれば朝がくれば何かが変わると思いながら。笑われてもなじられても進むしかない。戻る場所はどこにもない。うちなる声に耳をすましてドアを叩き続ける。いつか開くドアを。