だんだんクリアになる思い出に面影も薄れていく。好きだってもっと言いたかった。ふいに悲しみが押し寄せる街角で呆然と途方にくれる。傷ついたその分だけ臆病になって人を遠ざけてしまうけど。胸の奥にはいつだって大切な人のために空けてある席がある。そこに座る人は友達かもしれないし恋人かもしれない。探し続けて見つけるのかもしれない。街に溢れる誰かかもしれない。