バカ恋
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■ ラヴストーリーは突然に -其の参- ■



嗚呼・・・やっぱりな。



アタシは何時も乾いていた。

アタシは何時も求めていた。

アタシは何時も願っていた。



ふとした瞬間に重なる、苦い記憶。

胸をえぐられるみたいに、

「この人も・・・」そう思えて仕方なかった。

荒れた庭に水を撒いても、

綺麗な花は咲かなかったね。

もっともっとと懸命に撒いたから、

アタシの如雨露はもう空っぽ。



++++++++++++++++++++++++



さよならした筈のコージから、

連日連夜メエル&電話の嵐。

会いたい。今から行ってもいい?

ってメエルを送ってきたかと思ったら、

次は電話で 泣く。そして泣く。やっぱり泣く。

完全にイっちゃってます。

コージとの電話のやり取りを聞いていたシュウも、

流石に困惑気味の御様子。当たり前と云えば当たり前。




此れはアタシとコージの問題なので、

アタシがきっちりかっちり落し前をつけるのが筋。

シュウに嫌な思いをさせるのは心苦しかったけど、

しっかりと決着をつける為に、

もう壱度コージと会う事にしました。

フタリでよく行った、海岸沿いのデニィズで。




コージはまるで、アタシの決意を知っているかのように、

全く関係の無い話をし始め、まったり珈琲を飲む。

痺れを切らせたアタシは

あのさ・・・

と話し出すと、

コージはアタシの手を握り

愛してる (半泣き)

と呟きました。





其れからコージは、自分の思いを切々と訴え、

今すぐ結婚しよう

とか、訳のわからん事を口走ってましたけど、

アタシの気持ちが揺れる事は在りませんでした。

何を云われても、今更だよ。アタシの気持ちは此処には無い。

そう言ってアタシは、コージの手をゆっくりと解いたのです。





その他大勢が居る店ならば、

コージも取り乱して泣いたりしないだろうって云う

アタシの打算はだいぶ見当違いだったようで、

やっぱし御約束通りコージは泣いて、






と、

自信満々に言い出しやがりました。















其れだけは絶対にありえねえ













そんなこんなで、

暫く泣き続けたコージも、今度ばかりは覚悟を決めたらしく、

今まで有難う。元気でね。

と手を振ってくれました。





ほんとに此れで終わりだろうな。


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