バカ恋
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■ 積木遊び ■




たった一日しかない貴重な御休みも、

あっと云う間に過ぎ去り、

明日からまた壱週間の始まりです。





広いベッドでシュウの腕に抱かれながら、

気持ち良く寝息をたてて眠るシュウを眺める。

其処で寝ているのは、紛れも無くアタシの愛しい男。

だけれども、

何となく、其の逞しい腕も、筋肉質の胸も、

何時か消えてしまうような、

如何ともし難い儚さを感じる事が時々在る。

何故だろう。





愛されている実感を毎日感じ、

愛していると日々噛み締める。

反面、

其の愛情に溺れきる事も未だ出来ない自分に、

苛立たしささえ感じ、

もっともっととシュウの愛を強請る。

何故だろう。





そんな疑問を感じながら、

「じゃあ何故、シュウを受け入れたの?」と、

自問自答を繰り返してみたりする。

「好きだから仕方ない」なんて、

極論的な言い方も、アタシの頭の中で宙を舞う。





つまりは自信が無いのだ。

恋する女はみんなそんなもんだ。

だからこそ、自分を高める努力をするのだ。

失いかけた自信は、

きっと取り戻せるさ。




あの日・・・・。

シュウが小さな荷物を抱えて、

迷い犬みたいな瞳でうちの玄関をノックしたあの日。

あの時、シュウを家の中に招き入れた時、

アタシは覚悟を決めた。

シュウと共に生きていく覚悟を決めたんだ。





この先、シュウとの生活が何処まで続くか判らないけど、

アタシはずっと忘れないようにしよう。

あの日決めた覚悟を。










曇りの日だって在るよね。

雨の日だって在るよね。

何処までも澄み渡った青空の日だって在るよね。

馬鹿みたいにクダラナイ理由で悩んだり落ち込んだり、

そんな日だって在るよね。






人は複雑で、貪欲で、我侭で、弱くて、

そしてとても単純だ。

積木みたいに様々なの形で出来てるんだ。

だからこそ、

こうも愉快に毎日が過ぎていくのだよね。





そんな風に思ったら、

大嫌いな月曜日も少しは好きになれそうな気がしてきたよ。





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