バカ恋
back    index    next

■ ルーシーチルドレン ■



小学六年生の女子児童がクラスメイトの首をカッターで切ったってさ。

そんなニウスを見ながら、

うちのスーさんも他人事じゃなさそうにいろいろ考えてた。

同じ拾弐歳。

大人なんだろうか。子供なんだろうか。

少なくともアタシは子供だったな。うん。

壱日を何の迷いもなく、何の疑いもなく、

只ひたすらに過ごしていたな。

其れが良いのか悪いのかは別としてね。

多分、今の子供も昔の子供も中身は一緒だよね。

情報とか環境とかそこらへんの変化は多少あっても、

根本的なモノは多分一緒だよね。

だったら、なおさら、

どんな子供も、彼女みたいに狂気を晒す可能性も有り、

又、彼女も、

一般的な少女のように平々凡々と過ごせた可能性も有るのだね。

其の境界線は何かと言ったら、

きっと分別なんだろうな。





祖母の葬式で実家に帰っていた時、

少し時間が空いたから、久しぶりに地元の親友と会った。

彼女も今や一児の母になり、

夜中まで騒いで遊んでいたあの頃など、

見る影もないほど、立派なお母さんになっていた。

最近、地元も危険な事が多くなってきた

と、彼女は言った。

少し前に大型スーパーで小学四年生の女子児童が、

男子中学生に無理矢理トイレに引きずり込まれ、乱暴されて、

子宮を損傷したと云う痛ましい事件があったらしい。

だからね、スーさんも気をつけなきゃね
うちは息子だから、加害者にならないように気をつけなくちゃ


男だろうが女だろうが、

子供だろうが大人だろうが、

関係ないんだよね。

一瞬のうちに被害者にも加害者にもなる。

其れが子供だから故、

こうやって大きなニウスとして全国を駆け巡るだけであってさ。








どんな親だってそう思うだろうね。

子供を信じて育ててるんだもんね。

其れでも心配だったら瞼を裏返して捜してみれば良い。

眼球にバーコードある?


My追加

back    index    next
mail  home  bbs  おててつないで
エンピツユニオン