最近、人と会うことが少ない。最近、ではないか。4年生になってからか。たまに人と会うと、言葉に窮することも少なくない。普通の会話ができなくなってきている。ゲームなんかでコミュニケーション自体は取っているから、人間とかかわってはいる。しかし、直接会うこととそれ以外のコミュニケーションでは、天と地ほどの違いがある。
感情的な部分での違いもあるだろうが、1つ気になっているのは、時間的な速さだ。直接面と向かって行うコミュニケーションは、そのほかすべてのコミュニケーションと比べて、圧倒的に速い。そして、単位時間あたりの情報量がダントツに多い。つまり、会話に際して膨大な量の情報を処理しなければならないわけで、それだけで頭の体操になるだろう。そして、それだけの情報量を常に処理しつづけることが、人間の大きな能力なのだと思う。
人間の能力は、ほとんどの場合、使わなければ劣化する。僕のコミュニケーション能力も例外ではないだろう。コミュニケーション能力は今後ますます重要になると、いろいろなところで言われている。ビジネスの分野で言われることが多いようだ。その中で自分のコミュニケーション能力が衰えていくことには、強い危機感を覚える。とは言え、対策を打てる環境ではないのだが。
それ以外にも、頭を使う機会が減るというのも重大な問題だろう。人と会話するということは、ほぼ強制的に、大量の情報を処理することにつながる。そのことで、脳に強い負荷がかかることだろう。そうすれば目も覚めるだろうし、頭の回転もよくなるはずだ。逆もまたしかりで、人と話をしない場合、情報を処理すると言っても高が知れている。そもそも集中力が高かったり、何らかの危機的な状況にあれば別ではあるが。そうなれば当然頭の回転は鈍くなり、集中力だって失われる。それが長期間続けば、今の僕のような無気力な状態だって十分に予想できることだ。一人と言うのは想像以上に人間の気力を奪うものだ。そう、実感できた。
一人であるから制約されない。有り余る時間がある。忙しいという言葉は、今の僕には無縁だ。しかし、その多くの時間を費やしても、何もすることができない。それが、今の僕の状態なのだと思う。