Seakの日記
日々感じたことを書き留めていこうと思っています。

2003年10月13日(月) パソコンはいらない?

パソコンはいらないという本を読んだ。僕は日頃よくパソコンを使っていて、なぜパソコンはいらないと主張するのか、興味があったからだ。

1998年の9月に出版された本であり、特にインターネットに関してはだいぶ現在と食い違う点が多い。インターネットのインフラが整うのは数年先だと書かれているが、今年は2003年なので、この本が出版されてから5年経っている。現実にインターネットのインフラは、その当時と比較して整っていると言える。

だが、それ以外の点に関してはうなずけることが多い。最初に、ミラクルズとかいうグループの歌を紹介している。「きみのことは嫌いだけど、愛している。きみのことは欲しくないけど、必要なんだ。」とまあ、こんな内容らしい。矛盾しているが、その矛盾が現在のパソコンが置かれている状況を示唆しているという意見には全面的に同意する。この歌を引用して著者が指摘したかったことは、パソコンマニアと一般ユーザの心理である。前半部はパソコンマニアの心理だ。パソコンは何かとトラブルの多い機械である。パソコンを使っていて一度もトラブルに遭遇したことがないなら、ほぼ間違いなくその人はマニアではない。思いつくだけでも、画面全面が真っ青になるブルースクリーン、突然に起こる通信の断絶、なぜか処理が止まるフリーズ、何も悪くないのに責められる不正な処理、前触れもなく突然起こる再起動。これらはすべて、僕が日常的に経験していることである。もちろん、パソコンは多機能な機械だから、そのいろいろな機能を使うときに、いろいろなトラブルが起きる。これらは不具合であったりする場合もあるが、パソコン本来の仕様どおりに動作していても、使う側からすればトラブルとしか思えないことがある。そして、そんなトラブルを起こすパソコンなんて、嫌いなのだ。嫌いだけど、愛しているのだ。最初に書いた「パソコンはいらない」から一部を引用する。これは愛である。それもパソコンオタクの異常な愛情だ。「自分はこんなに苦しめられているけど、パソコンを愛してるんだ」。こうした倒錯した心理こそマニアの世界である。と、記されている。この本は、そうしたパソコンマニアには関心がないらしい。マニアがどれほど泥沼であがき、苦しんでいても、本人はそれを楽しいと思っているのだから、本人の勝手なのだ。僕自身、そう思うことはよくある。パソコンが自分の思い通りに動くことなんてまずない。それを、どうにかして動かすのが楽しいのだ。なぜ動かないのか原因を追求し、不完全ながらも動作する状態にして、いつまた止まるのか知れない不安におびえながら恐る恐る使うのだ。…僕もすでに、常人とは感覚が違っているのかもしれない。

で、問題なのは、僕を含めたそういう変な人ではない。残る大部分の一般の人々だ。何が問題なのか。それは、そもそもパソコンに価値があるのかという、かなり根本的な問題である。パソコンは多くの機能を持っているが、何でもできるわけではない。情報処理という多くの場面に適用できる機能を持っているために、何でもできるように思われるだけだ。では、何ができるのかと考える。そのときにこの本の著者は、結局のところパソコンがどうしても必要な事態は少ないのではないかと言うのだ。確かにそのとおりかもしれない。僕だってパソコンが相当好きで、大抵のトラブルではうろたえたりしないが、それでも使いこなせているかと言われれば疑問である。パソコンを使ってしている一番の生産活動は、おそらくこの日記だろうし。まあ、そんなようなものなのだ。


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