最後の夜。

ありがとう。

沢山笑ったよね。

沢山ケンカしたよね。

本気で頭きて、本気で信じられなくなって、

距離を置いてみたりもしたけど。

やっぱり、寂しくなっちゃって。

声が聞きたくなって。

何かね、実感わかないんだよ。
こんな日が来る事くらい、解ってたのに。
だってさ、急に、サヨナラだなんて。
一生会えなくなるわけじゃないけどさ、
やっぱり遠いよ。
哀しくて、哀しくて、信じたくない。

『湿っぽい別れは嫌い』
って言うからさ、それならさ、
笑顔でお別れしてあげようって、思ってたのに。
あたしずっと、笑ってたでしょ?
なのにさ、何で最後の最後で、泣かせるのよ。
何でさ、抱き締めて離してくれないの。

『連れて行きたい』 『一緒にいたい』

そんなの、無理だって解ってるじゃない。
絶対絶対、泣かないつもりだったんだよ、ねぇ。
笑ってさ、バイバイって、またね、って。

永遠の別れなんかじゃないのに、
何でこんなに哀しいんだろうね??

初めて回したあたしの腕が、震えてるの、気付いた?
『嫌だ、嫌だ』
あたし、そう言って泣く事しか出来なかった。
泣いたって、どーしようもない事くらい、解ってるよ。
だけど。

1年と、ほんの少しの短い間だったけど、ありがとね。

楽しかったよ。

我侭、いっぱい言ってごめんね。

それから、

あと7年、早く生まれてくればよかった。

恋じゃないのに、愛じゃないのに、

こんなに愛しい気持ち。

自分達でも、よく分からなかったね、最後まで。

彼女と、仲良くね。

彼女の存在、あたしにだけは内緒にしてさ。
ホント、嘘つきだなぁ。
ね、今回だけは、自惚れてもいいかな?
もしもさ、もしも、もしも。
あたし達が、生まれ変わる事があるんだったら、
今度こそ、今度こそ、恋人になりたいね。

大好きだったよ。

大好きだよ。今も。

最後の夜、忘れないから。

抱き締めてくれた、強い腕。

頭を撫でてくれた、大きな手。

忘れないから。

最後まで、泣き虫でごめんね。

大好きだよ。

ありがとう、ヒロトくん。


2003年02月18日(火)

魔法がとけるまで。 / ちぃ。

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