差出人のない手紙。


『ごめんね。』
なんて、謝って欲しかったわけじゃないの。
困らせたかったわけじゃない。
傷つけたかったわけじゃない。

好きだったの。
好きすぎて苦しかった。

誰かのものだってゆう、薬指の証。
それは、あなた自身を護る盾でもあったんだ。
解ってあげられなくてごめんね。
でも、言ってくれて嬉しかったよ。
ありがとう。
ごめんね。
今はもう、ちゃんと解ってるから。

あたし、あなたに言ったよね?


「もしあなたがあなたじゃなくて、
 もっと違う出会いだったら、何か変わったのかなぁ」


あなたも同じ様に思ってくれてた事が嬉しかった。
けど、もう無理なんだって思い知らされた。
解ってたよ。
でもやっぱり、辛いね。


あなたを忘れられるわけなんてない。
まだ好きなのに。

今すぐ会いたいのに。



あなたを好きになって、泣き虫になった。
初めて、人を護りたいと思った。

こんな辛い恋初めてだったよ。
だけど、こんなに幸せな恋も初めてだった。

あなたがこの世界に居るだけで幸せだった。


『ごめんね。ごめんね。』


あなたを責めたわけじゃないの。
謝るのはあたしの方だよ。
ごめんね。
あなたは何一つ悪くないから。
全部、ごめんね。

世界で一番、愛しい人。
誰よりも不器用で優しい人。
あなたに出逢えて本当によかった。
あなたを好きになってよかった。
今はそう思えるから。

2003年04月26日(土)

魔法がとけるまで。 / ちぃ。

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