名前はない。


なんて自分勝手なことをしてきたんだろう。あたしは。

最初から最期まで、ホントに彼の気持ちなんて
なにひとつ真剣に考えたりしていなかったじゃない。


過去の日記を読み返してて、心底、自分が嫌になった。
なにを思い上がっていたんだろう。
理想論ばっかり掲げてきた結果がこれだ。

押し付けて逃げ出して、それで思い出にただ縋って。

人を巻き込んで大切な人に傷を負わせて。



あたしには、

愛なんてわからない。



そんなこと語る資格すらないね。

あたしには思い遣りも優しさもない。
自分以外の人の気持ちや想いを考えることすらできない。

いつからこうなっちゃってたのかな。
それとも、もうずっとこうだったのかな。
あたしはいつも被害者面してただけだったのかな。


いつも相手に求めるばっかりだった。


自分にだって揺るぎない気持ちも決心もなかったのに
それを棚に上げて、彼ばっかりを責めてた。

“愛する”よりも“愛されたい”って、おもってばっかりで。

いつだって押し付けるばっかりで
彼の気持ちを受け止めようとする姿勢すらみせなかった。

結局ね、あたしもなにひとつ信じてなんかなかった。
“愛されてた”自信すら、もう欠片もなくなっちゃって。
ぜんぶのことがマイナスにしか考えられなくなった。




どうしてあたしは

彼に信じてもらえるように努力しなかったんだろう。


どうしてあたしは

彼の不安を知りながら放っておくことができたんだろう。


どうしてあたしは

彼の苦しみを分かち合おうとしなかったんだろう。


どうしてあたしは

彼を最期の最後まで愛しぬこうとしなかったんだろう。




こうしてあたしは

彼と目すら合わせられなくなって、


そうしてあたしたちは

もう向き合えないまま繋いでいた手を離して。



あたし と 彼



ただのひとりひとりになった。



愛って、なんですか。

あたしにはもう本当にわからないよ。

2006年07月18日(火)

魔法がとけるまで。 / ちぃ。

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