部長motoいっぺい
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16歳の少年は、生まれて初めてコンビーフなるものを目にした。 正確に言うと、生まれて初めてというわけではないはずだが、彼の記憶の中ではコンビーフを見たことも食べたこともなかった。
父親は意地悪そうな笑みを浮かべながらコンビーフの缶を少年に渡し、「どうやって空けるか考えてごらん」と言った。
少年はコンビーフの缶から、ゼンマイのネジのような「道具」を外し、コンビーフ缶のヨコにあるタブに道具を通して、こともあろうにタブをヨコにねじ切ろうとした。
そのタブをねじ切られては、コンビーフの缶が開けられなくなる!と焦った父親は慌てて少年を制し、なんとか惨事は免れることができた。
そうこうしているうちに、少年の妹も謎解きに参加し、1〜2分二人でコンビーフの缶をこねくり回した後、ようやく缶を正しく開けることに成功した。
「生まれて初めて」コンビーフを食べた少年は、「美味いなこれ!」と言いながら、父親が食べようとしていた分まで箸を伸ばすのであった。すぐには開けられなかったくせに。。。
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