「 世の中はやる気のある人間でいっぱいだ。
喜んで働く者がいれば、喜んで働かせる者もいる 」
ロバート・フロスト ( アメリカの詩人 )
The world is full of willing people ; some willing to work the rest willing to let them.
Robert Frost
ビジネスの基本は、大企業も、中小零細企業も、さほど変わらない。
ただし、小さい企業ほど、従業員の “ やる気 ” が成果に影響しやすい。
すこぶる好奇心の強い性格なので、「 あれもしたい、これもしたい 」 などと色々な事業に興味を惹かれるが、なかなか、そういうわけにはいかない。
それで、他の人に勧めたり、ある程度までは自分が参加して後を任せたり、初期投資を回収したら経営権を譲ったり、ここ数年はそんな感じだ。
一応、本業は 「 経営コンサルタント 」 なのだが、これは、自分でやらないとクライアントが納得しないので、細々とやれる範囲で継続している。
少し前までは、頭脳明晰、容姿端麗の美人秘書を雇用 ( 実態は、自分が使われていた感じだが ) していたが、「 寿退社 」 されてしまった。
後釜を探している最中なのだが、前任者があまりにも優秀だったために、普通の能力の方では満足できず、とりあえずは一人寂しく働いている。
収益面では、中国で興した事業による貢献度が高く、こちらのほうは20名前後の従業員を常時雇用し、二ヶ月に一度は様子を見に行っている。
つまり、現時点で私が雇用している従業員は 「 すべて中国人 」 だが、日本に比べると、かなり低い賃金で 「 かなり能力の高い人材 」 が確保できる。
能力給制度を導入した結果、「 新入社員の5倍 」 を稼ぐリーダーも現れ、彼は現地で日本車 ( 高級車 ) を乗り回し、周囲の羨望を集めている。
近頃の日本人と違って、いまは所得の低いスタッフも 「 いまにみてろ 」 という意欲で精力的に仕事に励み、誰も 「 格差社会 」 だなんて愚痴らない。
急成長の続く中国経済を背景に、それぞれが 「 仕事が面白い 」 と感じており、地元の企業では満たされない才能溢れる人材が、いくらでも集まる。
経営者としても、「 どんどん能力を発揮して、どんどん給料を稼ぐ社員 」 がいることは頼もしく、お互いの利益に結びついて生活が潤い、しかも楽しい。
日本にいて、周囲の人々を眺めたり、ネットを覗いてみると、やる気のない言動を発する人ばかり目につくので、同じ日本人として情けなく感じる。
いっそ、しばらく上海にでも居を移そうかと考えたりもしているのだけれど、「 本業 」 の関係で、そうもいかないのが実状である。
そんな折、前回の日記でも最後に触れたが、ファッション業界に興味のある ニート と知り合い、就職の世話をする中で、彼の感性の高さに気付いた。
残念なのは、学歴、職歴などから判断して 「 理想的な就職先 」 に入れる可能性が低い点で、それなら 「 いっそ起業するか 」 という話になった。
当初は、商品の供給元を斡旋したり、ノウハウを伝授するだけという約束で協力したのだが、想像していた以上に資金力の乏しいことが判明した。
幸い、このところ中国で小銭を稼ぎ少し溜まってきたし、ここはひとつ、彼の持つ天性の才能と、やる気に賭けてみようと思い、投資することにした。
いま身近な日本人の中で、期待に値するのは彼だけで、それ以外はすべて中国の従業員諸氏に興味が移っている。
中国滞在中は、なるべく従業員と寝食を共にしているが、出資者、経営者として気を遣うだけでなく、彼らは私から 「 なんでも吸収しよう 」 とする。
その情熱は私に、ともすれば忘れがちになる 「 初心 」 を甦らせ、清々しい感動を与えてくれるもので、まさに 「 喜んで働き、働かせる 」 関係にある。
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