| 2007年07月29日(日) |
アジアカップ 日本は4位 : 韓国の忍耐力に感動 |
「 我々の忍耐は、我々の兵力よりもさらに多くを獲得するであろう 」
エドマンド・バーク ( イギリスの政治家、思想家、美学者 )
Our patience will achieve more than our force.
Edmund Burke
英単語 [ patience ] は、「 忍耐 ( 力 )、辛抱強さ、我慢強さ 」 を表す。
いまの日本人に最も必要で、最も不足しているものが [ patience ] である。
一昔前まで、諸外国から眺めた日本人像は 「 忍耐強い民族 」 との印象を持たれていたが、最近はどうも、様子が違ってきているらしい。
苦境にあっても辛抱し、倒れても立ち上がる 「 ど根性 」 は、過去において日本人の専売特許であり、戦後の復興も、それに依るところが大きかった。
もちろん、現代でも忍耐強い人はいるが、年間の自殺者数が 3万5千人 を数え、すぐに 「 キレる 」 若者は増え、総体的には忍耐力が低減している。
自分の思い通りにならなければ、すぐに 「 政治が悪い 」、「 社会が悪い 」 と批判し、自らの生き様を反省したり、努力することをしない。
知識や能力を過信して怠け、努力し成功した者を妬んで嘲笑する人も多いが、個人の能力などに大した差はなく、最後は 「 忍耐力 」 がモノをいう。
アジア杯サッカー の3位を決定する 「 日本 VS 韓国 」 の試合が行われ、前半、後半、延長戦でも決着がつかず、PK戦の結果、韓国が勝利した。
後半11分という早い段階で、韓国の選手が退場処分となったので、長時間に亘り韓国は、日本より一人少ない 「 10人 」 で戦う不利があった。
結果だけをみると、日本チームが不甲斐ない、決定力がないと思われがちだが、それよりも、今夜は 「 韓国チームの粘り強さ 」 が印象的だった。
どちらも無得点だったが、「 点を取れなかった日本 」 より、「 点を取られなかった韓国 」 に、観客は惜しみない拍手と賞賛をおくったようだ。
当然、人数が少ない側は、個々の選手が担う守備範囲も広くなり、疲労度も増すはずだが、彼らは執念で戦い抜き、最後まで希望を捨てなかった。
個人的な意見かもしれないが、日本のサッカーが成長した背景には 「 韓国チームの強さ 」 があり、少なからずその恩恵を受けているように思う。
南米や欧州の列強に敗れても、敗因を 「 体格差 」 に求めることが可能だけれど、民族的に体格差のない韓国には、その理由が通用しない。
同じような体格の韓国チームが、歴戦で活躍する様子から、学ぶところは大きかったし、直接の対戦には 「 負けられない 」 という意地が芽生えた。
スポーツにおいて、好敵手の存在が 「 お互いを高める効果 」 を持つことはよく知られており、彼らがいてこそ、現在の日本チームがあると思う。
ただし、今夜の試合をみるかぎり、力量的には互角でも、忍耐力、粘り強さの点において、韓国チームのほうが勝っていることを認めざるを得ない。
どちらかというと私は、精神論、根性論を尊重しない性格で、たとえば仕事で精神論ばかり語る人を、「 具体策のない裏返し 」 だと捉えている。
しかし、同じような実力で、やり方も間違っていない場合に、勝敗を分かつのは 「 精神力 」 であり、特に 「 粘り強さ 」 であることも知っている。
現代人は、「 忍耐 」 どころか 「 待つこと 」 も苦手なようで、人を待つ、良い出会いを待つ、好機が訪れるのを待つなどの作業が、得意ではない。
携帯電話の普及により、約束して待ちぼうけを食らうことも減り、チケットの予約などは並ばずともインターネットで済むし、何かを待つ場面も少ない。
成果や結論を早く求める姿勢も悪くないが、忍耐力、持久力をもって、粘り強く挑戦し続ける心構えを、現代人は取り戻す必要があるように感じる。
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