Tonight 今夜の気分
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2007年10月10日(水) 公務員制度改革



「 人生は列車のようなもの。

  時に遅く走ることは予測のうちだが、脱線だけは困る 」

         ウィリー・スタージェル ( メジャー・リーグのパワーヒッター )

Life is like a train. You expect delays from time to time.
But not a derailment.

                                  Willie Stargell



上手く 「 delays = 遅延 」 と 「 derailment = 脱線 」 で、韻を踏んでいる。

39歳で 「 史上最年長の MVP 」 に輝いた、苦労人らしい名言だ。


だいたい、景気が悪くなると、あちこちから 「 公務員が羨ましいよ 」 という、愚痴とも雑言ともつかぬ声を、耳にする機会が増えるようだ。

報酬は必ず定額が保証され、熾烈な競争に打ち克たなくても、特に活躍が見当たらなくても、何の役に立たなくても、加齢と共に確実に増えていく。

逆に言うと、それ以上の収入がまったく見込めないので、大きな借金を抱えたり、大それた野望を持つ人にとっては、あまり適した職業ではない。

そのせいか、私の知る公務員の方々は、同じぐらいの収入を得る民間企業の勤め人よりも、生活が質素というか、ようするに 「 ケチ 」 な人が多い。

公務員なのに羽振りが良すぎると、「 何か悪いことでもしているのでは … 」 なんて心配を周囲がするので、ことさらに堅実さを主張する人もいる。


行き過ぎた競争社会にも弊害はあるだろうが、競争とは 「 切磋琢磨 」 することの同義語であり、それを取り去って、社会の向上は在り得ない。

本当は、もっと公務員にも競争原理を取り入れるべきであり、能力の有無や、やる気の違いが、地位や報酬、雇用にまで及ぶことが望ましい。

私は、自分の会社を創業するにあたり、定款から 「 定年制 」 を外したが、それは、人間の能力や実績や個性を 「 みな同じ 」 と思わないからだ。

公務員の場合も、能力や個性の高い人物がいる一方で、まったく使えない人物や、やる気のない御仁もいるはずである。

それを 「 みな同じ 」 にしているのは、役所ごとに君臨する 「 組合 」 という名の組織による企みで、改革を目指しても、彼らの存在が立ちはだかる。


福田首相は、省庁による再就職あっせんを一元化するため、08年に設置する人材バンク 「 官民人材交流センター 」 の見直しを示唆した。

これは、政府による公務員制度改革の一環であり、いわゆる 「 天下り 」 を減らそうとする試みだが、実際のところ、欠陥や問題点が多い。

下手をすると、今よりも天下りを奨励することになりかねぬ 「 欠陥法 」 で、その弊害を追求する野党の姿勢は正しいといえる。

公務員が退職後、民間企業で才能を発揮するのは良いことだが、退職後のポストと引き換えに、役人から便宜をはかってもらう悪習は断つべきだ。

それを防ぐには、人材バンクの創設を急ぐより、「 官 」 と 「 民 」 の接触を制限するガイドラインを敷くことが、優先課題だと思う。


年金問題もそうだが、社会保険庁などをはじめとする公務員制度の改革について、民主党 の追求は、いつも 「 肝心な部分 」 にまでは及ばない。

管理が杜撰だ、不祥事が多いと叫びつつ、与党が 「 では、解体しましょう 」 と提案すると、途端に トーンダウン して、省庁の擁護にまわる。

これは、自治労などの組合を 「 票田 」 に持つ 民主党 の事情によるもので、与党は叩きたいが、どうしても組合とは対峙できない宿命がある。

組合から 「 膨大な内部情報の リーク 」 を得て、いくらでも与党を追求できるのだが、決して自分たちの手では役所を 「 浄化 」 できない。

民主党 こそが、公務員組合の 「 御用組合 」 になっているわけで、彼らが政権を獲ったら、それこそ、組合の 「 やりたい放題 」 になってしまう。


物事を良くする意味で使う 「 改革 」 と 「 改善 」 の二つの言葉は、既存の ルール に基づいて、変更を加えるという点では一致している。

異なる点は、通常、「 改革 」 が 「 上から ( トップの指示で ) 行われる 」 のに対し、「 改善 」 は 「 下から ( 現場の努力で ) 行われる 」 違いだ。

つまり、自民党 は、上から バッサリ と組合に メス を入れようとし、民主党 は、それを阻止しながら、下からの努力こそ必要だと騒いでいる。

公務員の方を愚弄するわけではないが、競争の激しい民間企業でも困難な 「 己との闘い 」 に挑み、各人の自己努力で、この問題が解決できるのか。

果てしなく続く長い線路を、安全第一で緩やかに進んできた車両が、突如、乗客の期待に応えて、脱線を覚悟で突き進むとは、想像がつかない。






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