Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2007年10月19日(金) 世間にはびこる上品な亀田一家



「 子供たちに何ができるのか知りたければ、彼らにモノを与えるのを

  やめるべきだ 」

                      ノーマン・ダグラス ( イギリスの作家 )

If you want to see what children can do, you must stop giving them things.

                                Norman Douglas



子供の頃を振り返ると、不思議に思う幾つかの事柄がある。

たぶん、自分自身が忘れているだけで、単純なことだとは思うが。


一つ目は、携帯電話もメールもなかったうえ、特に待ち合わせの約束もしなかったのに、なぜか、毎日のように友達同士が集まっていたことだ。

いまでも、「 田舎のヤンキー 」 などはコンビニの前にたむろしていたりするようだが、その当時、コンビニはなかったが、駄菓子屋があった。

そして、いまとは違って都会の住居には家風呂が無く、銭湯へと通う習慣があったので、そこでも友達と会うことが多かった。

あるいは、駄菓子屋や銭湯に行かずとも、近所の空き地か公園に行けば、たいてい顔見知りの何人かがいて、一人ぼっちで困ることはなかった。

それは偶然というより、「 たぶん、この時間、あの場所へ行けば誰かいる 」 という感覚が養われていたせいで、超能力みたいなものだったように思う。


二つ目は、パソコンもゲーム機もなかったのに、空き缶を一つ見つけただけで、日が暮れるまで何時間でも、飽きずに遊んでいたことだ。

誰かがボールを持ってきたら野球を始め、それが川に落ちたら、空き缶を見つけて缶蹴りが始まり、缶も無いときは、また別の遊びが始まる。

記憶力の良い幼馴染に当時のことを尋ねると、そんな遊びが飽きなかった理由は、毎日、遊びの内容が 「 同じではなかった 」 ためだと言う。

たとえば缶蹴りにしても、少し遊んで慣れてくると、友達同士で話し合って 「 難易度の高いルール 」 を設定し、どこか変えていたらしい。

いま思えば、遊び道具が乏しかったことで、当時の子供たちというのは全般に想像力が高く、遊びをクリエイトする能力に長けていたようである。


逆読みすると、子供に対して何でも与え過ぎた場合、その子供の想像力は十分に働かず、決まりきったことしか出来なくなってしまう可能性が高い。

親が何でも準備することで、想像力だけにかぎらず、危険を察知する能力、忍耐力、相手の気持ちを思いやる能力などの、成長に弊害がある。

そういえば、「 親 」 という漢字を分解すると、「 木 」 の上に 「 立 」 って 「 見 」 るというパーツに分かれている。

親の役割は、本来 「 木の上に立って見る 」 程度が望ましく、子供のためを思う気持ちが強くても、あまり干渉しないほうがよいのかもしれない。

立派な大人に成長させたければ、偏差値の高い学校へ進ませることより、親自身が立派な行動を示し、手本になることのほうが重要だろう。


亀田親子は謝罪会見を開き、その翌日には、前回の試合で反則技を連発した次男が相手宅を訪れ、丁重に頭を下げたらしい。

史郎 氏 は、世間の常識や善悪より、自分を盲信して追従してきた息子に、「 父親が国民に頭を下げる姿 」 を見せねばならぬことを、反省すべきだ。

ある日突然、それまで自分が信じて疑わなかった価値観、尊敬する父親像が、根底から覆され、全否定される気持ちたるや、いかばかりであろうか。

自宅では、厳しいトレーニングを課していたというが、鍛錬の質量ではなく、「 自分で判断し、考えさせる習慣 」 を与えなかったところに ミス がある。

そういう意味では、これも一種の 「 過保護 」 であり、ガラは悪いけれども、彼らは 「 貧乏人のお坊ちゃま 」 なのかもしれない。


彼ら親子を批難するのは自由だが、私からみれば、「 上品な亀田一家 」 みたいな親子は、いくらでも世間にいると思う。

自分が果たせなかった夢を子に託し、世間は敵だと公言してはばからず、子供に 「 自分で考えさせる機会 」 を与えないまま、先入観を植え付ける。

私の周囲にも、そんな親御さんは結構いるようで、彼らは、彼ら自身が持つ 「 良い部分 」 に気付かず、自分のコンプレックスばかりを反映させたがる。

他人から見ると実に 「 みっともない 」 のだが、自分と同じ失敗を経験させたくないせいか、特に教育問題などで、異様なほど子供に干渉するようだ。

教育とは、無知な人間を賢く変身させることではなく、もともと本人が持っている資質を伸ばすことにあり、それに気付かぬ人は亀田家を笑えない。






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