| 2008年02月12日(火) |
米兵レイプ : 日本人も海外では … |
「 世間は鏡だ。 覗けば必ず自分の顔が映っている 」
ウィリアム・M・サッカレー ( イギリスの作家 )
The world is a looking-glass, and gives back to every man the reflection of his own face.
William M. Thackeray
外国人による犯罪が起きると、日本人が 「 ナメ られている 」 気がする。
大抵の場合、その怒りは、被害者に寄せる同情よりも上回る。
沖縄駐留米軍の海兵隊員が女子中学生を強姦した事件で、地元自治体や市民団体の間に、米軍に対する抗議の動きが広がっている。
その動きは、反米思想の強いマスコミや、左巻きの連中に煽られて、今後しばらくの間、さらに加熱し、沈静化までは時間が掛かるだろう。
おそらく、この事件には何の関係もない 「 イラク戦争 」 がどうとか、アメリカに協力的な政府の施策にまで、非難の声が聞こえてきそうだ。
たしかに、同胞 ( それも、いたいけな少女 ) が乱暴されて、深い心の傷を負わされたことに怒りを感じるし、政府は断固、抗議すべきである。
戦後60年以上も経った現在、敗戦の民として 「 我慢 」 を強いられる理由は微塵もなく、日米地位協定を盾に茶を濁されては、まるで納得できない。
ただ、このように 「 自国の婦女子が外国人に蹂躙される 」 ことへの怒りが理解できるのなら、“ 日本人が海外で何をしているか ” も知るべきだろう。
貧しいアジアの国々では、買春はもとより、そういった “ お愉しみ ” の無い場所でさえ、やりたい放題の日本人を何人も見てきた。
もう二十年ほど前の話だが、当時、商社に勤めていた私は、某大手銀行の新宿支店長と共に、まだ、行き交う日本人の姿も少ない上海にいた。
国営工場の視察を終え、当然の如く夕食をたかられ、「 では、また明日 」 と立ち去ろうとしたが、なかなかホテルに戻ろうとしない。
明確に “ ソレ ” とわかる口調で、「 どこか、面白いところはないの? 」 と執拗に尋ねられ、なんとも困ってしまった。
いまでこそ外国人旅客も増え、「 サービス 」 という感覚を理解し始めたが、当時の中国は、百貨店で買い物をしても 「 釣銭を投げる 」 有様だった。
よほど裏事情に詳しい人なら “ お愉しみ ” を知っていたのかもしれないが、幸か不幸か、我々の同僚は皆、真面目で、誰もご案内ができない。
ようやく探し当てた 「 日本語のカラオケがあるクラブ 」 に連れていったが、お店の女性たちは事務的で、一様に愛想が悪い ( 当時はそれが普通 )。
もちろん “ 特別なサービス ” が期待できる類の店でなく、お酒や食べ物を運んではくれるが、日本語も話せないし、接客もできない。
突然、支店長さんは怒りはじめ、身振り手振りで女性に酌をさせ、BGMに合わせて チークダンス を迫り、応じないとみるや体を触りだした。
烈火のごとく怒った女性は店の奥に逃げ、再び現れたときには 「 強面 」 の男性二人を伴い、異様な目つきでこちらに迫ってくる。
なおも高圧的な態度を崩さない支店長さんに、彼らは怒り心頭で喚き立てるのだが、まったく中国語がわからないので、どうすることもできない。
しばらくしてから、なんとか英語の通じる従業員を見つけたので、彼に英語で詫び、チップを多く渡し、その場を逃れたが、実に情けない気分だった。
当時は私も若く、大手銀行の支店長さんといえば “ 偉い人 ” だと勘違いをしていたので、まったく逆らうことができなかったのである。
いまならば、間違いなく 「 シバキ倒している 」 ところだが、同じ日本人として情けない気持ちと、彼を止められなかった自分のふがいなさを恥じた。
当時、先輩に話すと、そんなのは “ 序の口 ” だそうで、いざとなればお金で口封じができると息巻き、強姦まがいのことも平気でやるのだという。
さすがに現在の上海では無理だろうが、開発の遅れている国や地域では、いまだに日本人男性の 「 よろしくない評判 」 を聞くことが多い。
たとえば、日本の大手企業の社員や、官僚などが、後進国への出張中に 「 強姦 」 の容疑で逮捕された場合、日本の世論はどう動くだろうか。
おそらくは 「 タチの悪い風俗店に引っかかったな 」 だとか、「 言いがかりをつけて脅すつもりの罠 」 だと勝手に解釈し、気の毒がる人も多いだろう。
アメリカに抗議するのはよいが、後進国で好き放題にやってるオジサンたちと同様に、彼らもまた 「 日本を見下している 」 ことを忘れてはならない。
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