Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2008年02月27日(水) ボロ を出した ヒラリー



「 ハンマーの扱いが上手な人は、あらゆるものを釘に見立ててしまう 」

                 アブラハム・マズロー ( アメリカの心理学者 )

He that is good with a hammer tends to think everything is a nail.

                               Abraham Maslow



幼い頃、テレビで 『 トムとジェリー 』 を観た人は多いだろう。

1940年に劇場用第一作が公開されて以降、今も子供たちに人気がある。


物語は毎回、凶暴だが少し間抜けで、どこか憎めないところのある猫のトムと、頭脳明晰な鼠のジェリーによる 「 追いかけっこ 」 が中心だ。

ユーモラスなドタバタ劇で、常にトムが負けるのだけれど、冷静に考えたら、ジェリーが負けると 「 命に関わる 」 わけで、万事休すの結末を迎える。

そんな 「 血生臭い恐怖 」 だとか、大柄の動物が小柄な動物を襲うという 「 残酷な自然界の掟 」 を感じさせない工夫が、随所に織り込まれていた。

また、主題歌の 「 トムとジェリー、仲良く喧嘩しな♪ 」 という歌詞は、けして彼らが憎み合い、争っているわけではないのだと、子供たちに諭している。

元気な追いかけっこは良いけれど、誰かを憎んだり、怪我をさせてはいけないという 「 視聴者である子供への、良心的な気配り 」 が、そこにはある。


実は、この 「 仲良く喧嘩 」 しなければならない場面が、現実の社会生活においても、いくつか存在するのである。

アメリカの大統領選挙では、二大政党である 「 民主党 」 と 「 共和党 」 のそれぞれが、予備選挙で各指名候補者を選び、決選投票が行われる。

そのため候補者は、まず、党の指名を得るため予備選挙を戦い、その後、ライバル政党の代表と、たった一つの席を巡って戦わねばならない。

今回は、選挙戦の前から 「 民主党が圧倒的に優位 」 との前評判が高く、ヒラリー、オバマの各候補は、それぞれ大きな期待を寄せられていた。

共和党で指名を獲得しそうなマケインは話題性に乏しく、女性初の大統領となるヒラリーか、黒人初のオバマかという民主党は、注目度が大きい。


ところが、ここにきて形勢は逆転し、最新の世論調査では 「 共和党候補のマケインが、民主党候補を破って当選しそうだ 」 との集計が発表された。

この背景には、ヒラリー、オバマによる民主党の予備選挙が過熱し過ぎて、それぞれの支持層までもが対立し、いがみ合ってしまった実態がある。

お互いに野心があるのだから、競い合うこと自体は止められないけれども、もう少し紳士的に 「 仲良く喧嘩 」 するべきだと専門家は指摘する。

人気を二分する両候補が 「 仲良く喧嘩 」 して、勝ったほうが大統領候補、負けたほうが副大統領候補になれば、両陣営の支持者から得票できる。

しかし、予備選挙が加熱し過ぎて、「 中傷合戦の泥試合 」 となってしまった結果、“ 奴に投票するぐらいなら、マケインを選ぶ ” という反目を招いた。


特に、ヒラリーの発言や表情には、オバマに対する憎悪が読み取れ、彼女の持つプライドの高さや、人種差別意識が、日増しに印象を悪くしている。

彼女は、中国政府から莫大な政治献金を受けていると言われるが、公約も演説も対中政策を大々的にアピールし、同盟国である日本は蚊帳の外だ。

関税や、貿易の規制面を考えると、日本にとっては歓迎しかねる相手なので、ここにきてヒラリーの人気が急落していることは、有難い話でもある。

喧嘩をするときは、「 完膚なきまでに叩きのめす 」 べき相手であるのか、「 生かさず殺さず 」 にすべき相手かの、見極めが大事なのだ。

たまたま偶然だろうが、身内でゴタゴタと争って不協和音を奏で、せっかくの優勢を維持できない体質は、某国の “ 民主党 ” も似たような傾向にある。






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