Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2008年03月18日(火) バイト女子の送別会



「 一つ一つの別れは死の味わいをもたらし、

  一つ一つの再会は復活をほのめかす 」

            アルトゥール・ショーペンハウエル ( ドイツの哲学者 )

Every parting gives a foretaste of death, every reunion a hint of resurrection.

                            Arthur Schopenhauer



多くの日本人は、「 一期一会 」 という言葉に、出会いと別れを重ねる。

良い言葉ではあるが、そこには、死の影もなく、復活の希望もない。


時節柄、サブプライムローンの話やら、そこから派生したドル安への傾向、今後の世界経済に関する展望など、日記に書きたいことは山ほどある。

猫の額ほどではあるが、アメリカに不動産を持っているし、外貨預金、株式など、残念なことに、私の資産も軒並み価値を下げている。

ただ、おかげさまで借金がないうえ、細々と暮らせる収入はあるし、昔から 「 お金は天下の回りもの 」 といわれるように、また、良いこともあるだろう。

不可抗力的な損失に一喜一憂するよりも、自分が置かれた状況において、「 常にベストを尽くしているか 」 のほうが重要で、そこには自信もある。

去っていく “ お金 ” に未練はない ( 本当は少しあるけど ) が、この時期は、去っていく “ 人 ” のほうに、一抹の寂しさを感じる。


今夜は、バイト女子 ( 19歳 ) の送別会をすることになり、親しい仕事関係の知人数名と、なぜか、私の彼女も参加して、鍋を囲みに行った。

早くから就職が決まっていて、もともと短期の約束で知り合いから預かったのだが、予想した以上に優秀だったから、ちょっぴり惜しい気もする。

過去に雇用した他の女性たちと同じく、優秀な人は概ね 「 私より、しっかりしている 」 ため、あまり長く居座られても、こちらが疲れたかもしれない。

締めの挨拶では、「 コンサルタント業という仕事が、こんなにも体力仕事とは思わなかった 」 と、仕事の本質を見抜く的確な感想を述べていた。

そして、「 私がいなくなった後も、ちゃんと頑張ってね 」 と、30歳近く年下の “ お母ちゃん ” みたいな愛情で、こちらの心配もしていただいた。


このぐらい年が離れていたほうが、かえって本音で話せる部分もあり、いま思うと、私にとっては 「 良い相談相手 」 だったような気がする。

なまじ知識や経験があると、相手の “ それ ” と比べてしまい、かなわないと思えば、気軽に意見が言えなくなってしまうものだ。

その点、物怖じせずに バンバン 思いついたことを口にする彼女は、私の気が付かないことや、参考になる事柄を、色々と教えてくれたと思う。

以前、20歳代の女性で 「 アタシって “ ○○ な人 ” じゃないですか〜 」 と話す口癖のあるクライアントが来たときも、彼女はよく観察していた。

女性が帰った後、「 あの喋り方は嫌いでしょう? 」 と訊くので、なぜわかるかと尋ねたら、“ お前のことなんて知るかヨ ” という顔をしていたらしい。


バイト女子の分析によると、私は 「 好き嫌いが ハッキリ していて、物事を正直に話すから、カウンセラー には向いていない 」 のだそうである。

マーケティングや営業の仕事については、相手の理解度に合わせて多様な話し方が出来るし、それに “ オモロイ ( 面白い ) ” から OK だという。

なるほど、ごもっともと言いたいところだが、その説明を聴きながら隣で私の彼女が、嬉々として 「 よく言ってくれた 」 と笑うのが、少し癪には障る。

春からの就職先は、うちのような零細企業ではなく、立派な老舗大手だが、持ち前の 「 物怖じしない積極的な姿勢 」 を保って欲しいと思う。

最後に、「 困ったことがあれば何でも相談に来い 」 と告げたら、「 仕事の相談はするけど、恋愛の相談は他の人に … 」 と、ニヤリ 笑顔をみせた。






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