暗行記...不夜

 

 

星が色を失っていく - 2002年03月17日(日)

宇宙飛行士が言う
「地球は本当に綺麗な青だった」と

海が美しい青で
大陸が美しい碧で


周りを見渡してみる
どこに美しい青が碧があるだろう

どんなに青に囲まれた場所でも
そこには
人が建物が車があった

どんなに碧に囲まれた場所でも
そこには
道が電柱が電線があった

青の世界や碧の世界なんて
周りには無かった


本当に宇宙から見たこの星は
青く碧く見えるのか


星のあの光は何万年も昔の光が
時を越えてきたもの

どこかの星の人間は
数万年前のこの星の光を
とても美しく想うだろう

この星に憧れ
旅立つものもいるかもしれない

でもこの星に辿り着いた時
失望するだろう

海は黒く濁り
緑は白く汚れ
綺麗に透き通るはずの空気でさえ
灰色に濁り

住んでいる人の心でさえ
汚く濁りきっていることに


そして
彼らが帰ったあと
この星は輝くことを止めるだろう

黒くくすんだ星は
死んでいく




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