○プラシーヴォ○
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ハム男と、夜、電話で話をする。
最近、私は聞き手になることが多い。
出張で沖縄に行かなくてはいけないかもしれないこと 毎日毎日、滋賀やら和歌山やら遠くに行かなくてはいけないこと 部長に怒られたこと
ハム男が、自分の1日を語った後、 「で、がちゃ子は?何かあった?」
私は最近、このコトバが痛くてしょうがない。 ナニモナイ ナニモナイ1日だから。
社長、部長、所長、課長…等スーパー上司のみが 机を並べている特別な部屋で事務処理をしているので 話もほとんどすることがなく、 若い社員達と会うことすらない。
習い事もしていない。 うまく言えないのだが、 興味も無いことを試しに習いにいっても、 すっかり乾いた粘土の人形に 無理矢理、手足をくっつけるような感じがして・・・。 そのうち、やりたいことが思いつくといいな、とは思ってる。
私の中から、欲求がうずいてくるといいなって。
ADをやっていたころは、 毎日毎日ハム男に電話で
面白いスタッフの話 撮影の失敗話 撮影で会った芸能人の話 特別に入れたロケ地の話などなど
話し足りないくらいだった。
私が黙っていると 「何もなかった?平和なのが一番だよ!」 とハム男が言う。
何かしたい。 何かわからないけど何かしたい。
私の中を何かでイッパイにしたい。
そして、携帯の電池がなくなるまで ハム男に話を聞かせてあげたい。
ハム男が好きになってくれた、 夢がいっぱいではちきれそうだった私に戻りたい。
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