○プラシーヴォ○
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「がちゃ子さ〜ん、お電話よ」 事務の女性から、声がかかる。
ええ? 私は派遣社員でここに来てるだけで、 しかも入力業務だから、外部と接触することもないし・・・。 電話がかかってくるはずなんてないのにい。
首をひねりながら電話をとると、 ダ○エーのカード会社からだった。
バリ島旅行代金が、 先月の時点で残高不足で引き落とせなかったという。 「11日に、再度引落になりますので、 それまでに振りこんでくださいね。 12万円!」
ぎゃお! 「あのお、15日まで待ってもらえませんか・・・?」 「どうしてですか?」 「給料日なので・・・」
そのあと、電話口のお兄さんが声を荒げて、
いくら給料をもらってるのか? どうして先月、給料日の後に引落ができなかったのか? そんな給料の値段で、旅行代金を一括払いするなんて 考えが無さ過ぎるんじゃないか? 1回目の引落で延滞するなんて、もうあなたは信用できない。 親に借りるなり、なんなりできるんじゃないのか?
と、まくしたてた。
しかし、私は会社にいる。 すぐそばに 社長も部長も常務も所長もいる。
そんな中で、 給料はいくらだ 支払いを待ってくれだの
一体何回言わせる気なんだい、ああん?
ちょっとキレた私は、 「どうでもいいんですけど、 あなたが会社に電話してきたってことは、 私、仕事中なんですよね。 後ほどかけ直させていただくわけには、いかないんでしょうか?」
すると、逆ギレした私にひるんだお兄さんは、 「そ・・・そうですね、じゃあ明日、お電話下さい」 と引き下がった。
ブルーになった。
借金取りのようなお兄さんの口の悪さに。 25歳にもなって、旅行代金もまともに払えないという 計画性のない自分に。
はああああ。
一瞬、あの歌が頭をよぎった。 「はっじめってのア○ム♪はじめての無○くん♪」
しかし、ハム男がそこを利用して、あまりの金利の高さに 地獄を見たことを思いだす。
ここだけの話だが、 私は、無利息で明朗会計、返済期限はいつでもよし という秘密の金貸し屋を知っている。
ママン、ちょっぴり貸してプリーズ。
1時間のお説教の末、見事お金ゲット。はあ。
ほんとに情けないよう。
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