○プラシーヴォ○
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2001年06月18日(月) パニック

最近、
日曜の夜ハム男の家に泊まり、
月曜に、そのまま出勤することが多い。

朝の6時10分に起きる。
ハム男はクークー寝てる。
電気もテレビもつけて、豪快に出勤の用意をする。
でもハム男は起きない。

メガネをかけようとカバンを探って、血の気がひいた。
メガネが、無い。
自分の家に忘れてきたんだ。
ハム男と遊んでる間、ずっとコンタクト(使い捨て)だったから
分からなかった。

私は視力が両方とも0.01で、メガネが無いとパソコンの画面すら見えない。
仕事にならない。取りに帰るしかない!!
少しためらったが、ハム男をたたき起こした。
事情を説明すると、ハム男は時計を見て、
「送っていってたら・・・俺が会社に遅れるよ・・・」

そりゃそうだ。

崩れてしまった少しの希望を、見ないふりをして心から追いやる。
そして、グイッと音がするほど無理矢理に笑顔をつくる。

「分かった。ありがと。じゃ、私もう行くね」
「え?え?がちゃ子?大丈夫なの?」
「うん。大丈夫!(ちっとも大丈夫じゃないけど)」

ハム男は、まだ何か私に言っているが、送ってくれないんなら
これ以上付き合ってる暇はない。
無視してサンダルに足を通し、
絶望的な気持ちで外へと走り出る。

曇り空を仰ぎみながら、小走りに駅へ向かう。

ここから電車で帰ると、1時間以上はかかる。
そこから会社に行くとすると、
9時すぎか・・・下手するともっとかかる?
言い訳はどうしよう。いっそのこと休むか?!

歩き始めて5分後、携帯が鳴った。
「おおい、足速いなあ!
追いかけたのに、影も形も見えないやんか。
送っていったるわ。戻っておいで」

ありがとう!ハム男!
最初っからそう言ってよ!!!!

25年生きていて、こんなに早く走る車に乗ったのは初めて。
130キロ近くでてる。

私は昔から失敗に弱い。
弟がハチャメチャにイタズラなどをして両親に叱られる横で、
常に姉の私はイイ子を貫いてきたから。
何事も失敗しないように、慎重に臆病にいきてきたから。

自分の失敗を笑いとばせない。
落ち込みすぎて、心が閉じてしまう。今もそう。
ハム男をいつもより40分も早く叩き起こしてしまったことで
申し訳無くて、言葉がでない。

夜、電話で改めてお礼を言うと、
「もう、送っていかれへんと思ったけど、
がちゃ子がサンダルでペタペタ走ってこけたら
あかんなあと思って・・・」
ハム男がそう言って笑う。
「ほんまに、うちの彼女はどんくさい」

うん。自分でもそう思うよ。


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