○プラシーヴォ○
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| 2003年03月05日(水) |
コウノトリさん、お願いね |
最近、無性に子供が欲しい
結婚自体はまだいいけれど あの小さくて くったりしてて ほにゃほにゃで うるさくて ぷにぷにの 小さな生物を しっかり腕に抱いて育てたい
妊娠もしてないくせに 高野優さんという方の 子育てエッセイを買ってみたり (この人の本全部大好き 全部立ち読みだけど… 初めて勇気をだして買ってみました ますます子供熱急上昇)
電車の中で赤ちゃんを見つめては どっかで売ってないやろかと ため息をつく日々
そして今日、 またもや残業をいいつけられ ブチ切れで23時頃家に帰ると 父が丁度食事を終えたところだった
「あ、お父さんお鍋食べ終わった? こっち寄せるよ」
父の前から水炊きの鍋をずりずりと引き寄せていると
「…がちゃ子、今日、家にムク太が来てな… 彼女を紹介してくれたんや」
ムク太は私の4つ違いの弟
現在、借金返済に向けて 神戸の寮付きのパチンコ屋で住み込み働き中
普段、 男は黙ってサッポロビール高倉健ばりに 無口な父が 急に話しを始めたのでびびった
「え?そうなの 去年の夏に別れたきりだったのに また新しいのができたのね」
「…彼女が9月に子供を産むそうや」
うご?
口に入れた春菊が逆流しそうになった
も、もしや私の念が彼女に乗り移った???
「え?え? ムク太は本気なの? 結婚するんだよね???」
「本気でなかったら困る! まったく…順序が逆だろって言ってやったんだけど…
まあ、生まれてくるものはしょうがないから… 近々彼女の家にも挨拶に行って… 彼女の両親が 一刻も早く式をあげて欲しいって言ってるらしいし…」
苛立ったパパの声
3年前、 もしかして私があの時
産むと決意していたら
できちゃったと パパとママに報告していたら
やっぱりパパは
順序が逆だと ハム男を叱りつけたのだろうか
「ああ、忙しくなるぞ とりあえず、明日朝早いから寝るわな」
急に頬が緩まるパパ
なんだかんだ言って 孫ができるのは 無条件に嬉しいんだろう
寝ながらテレビを見ているママに聞く
「なんで彼女の両親は反対してるの? ムク太がアルバイターだから??」
「多分そうだと思うけど…
でもね、彼女も同じパチンコ屋で働いてるし 彼女の弟もパチンコ屋で働いてるのよ 職業で差別される筋合いはないわ!」
とにかくママは寂しそう
これから ムク太の管理とか心配は 全部あの彼女がするのね…
私の出る幕は無いのね…
と遠い目をしていた
そのとき ハム男から着信
最近3日に1回だった電話のペースだったのに もうこれで 3日連続で電話だ
どうしたんだろう
電話をとるなり ムク太の報告をする
そっか、そっか と テンション低めの返事
もしや、 3年前の私の子供のことを思い出して…??
と胸が痛くなった瞬間
「がちゃ子、俺… 人身事故起こしてしもた…」
てめえのことかよ!
仕事中で
相手はバイクに乗ってる男性で はねた瞬間 胸の痛みを訴えながら動かなかったので
「肋骨折れた?? 下手すると心臓??」
と失禁寸前のハム男
とりあえず、病院で検査してもらった結果 打撲のみとのこと
昨日、免許更新したばっかなのに
「よかったね、 相手が死んでなくてよかったね
これから、しなきゃいけないことと 払わなきゃいけないものをきちんと払っていかなきゃね
不幸中の幸いだね」
ハム男の声が少し和らぐ
「…ああ、そうだな もう、やってしまったもんはしょうがないよな
これから、やるべきことをやっていくよ がちゃ子も、気をつけるんやで」
はあ、 もし自分の彼氏が殺人を犯してしまったら??
血の気が引く
私も、自分自身が怖いときがある
電車を待っているときに 当たり前のように割り込みをして 最前列をのっとるおばちゃんを 線路に突き飛ばしてやりたいと思うし
人の都合を考えず 店のことだけを考えて 平気で残業を言いつける社長を ボコボコに殴ってやりたいと思うし
公共の場でうるさい子供たちを 片っ端からとっつかまえて 窓からほりなげてやりたいと思うし
時々自分自身も この歩道橋から飛び降りたらどうなるだろうと 思ったりするし
別に、自殺願望じゃなくて そういう衝動に駆られるというか 変な気持ちになるだけ
人って なかなか死ななかったり 簡単に死んだりする
死ぬ要素はどこにでも転がってる
それをなんとか避けながら 私たちは生きている
自殺したいと思ってる人は 頑張ったり 避けるのをやめればいい
そうすれば きっとそのうち不意に死ねるだろうし
死ぬ前に 随分楽な気持ちになって
死ぬ気がなくなるかもしれない
…って、何の話だ?
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