○プラシーヴォ○
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2003年03月16日(日) 堕胎

今日、父と母が
弟の彼女の家に挨拶に行った


彼女のお父さんはまるでヤクザで(鳶職らしい)
お母さんはまるでホステスで(店を経営してるらしい)
彼女の弟はチンピラで


彼女の弟は
私の弟ムク太に向かって


「なんちゅうことしてくれてん
 お前、手と足切り落としたろか」


などと
ヤクザ映画でも今日び聞かないような
脅しを延々怒鳴りつづけたらしい



彼女のお父さんも
静かにうなずいて


「新聞ざたにはなってないけど
 消したり、半殺しにした人間も何人かいるからね」


と言ったとか
(こいつら、まともとは思えない)



そして、とどめはムク太のことを


「こんな犬畜生の子供を産むなんて許せない」


といい、

彼女のお母さんも


「とにかく堕ろしなさい」


の一点ばり


私の父と母は
とにかく頭を下げ続けたそうだ


母が、泣きながら
私にそう言った


いつも寡黙で
にこにこしている父が

ポツリと


「なんで
 こんな歳になってまで
 頭を下げなあかんねやろ」


と言ったという



弟と彼女は、
あまりにも恐ろしい話し合いの場から
走って逃げたという
(もういい歳なんだから
 子供みたいなことしないでほしい)



その彼女が戻ってくるまで
父と母は一旦彼女の家を出て
車で待ち続けた


8時間後、彼女が戻ってきたので
父と母はとっつかまえて
車の中で話しをした



母は


「あなたとムク太の子供を見たいと思うけど
 私は、あくまでもムク太の母親で
 どうしても、あなたの家族の中に
 ムク太を入れられないのよ

 ムク太を動物呼ばわりするような
 ムク太を殺したいくらい憎んでいるような

 そんな一家の中に
 ムク太を手放しで入れられないのよ

 だから、
 堕ろしてくれる?」


と彼女に言ったという


そして、
母が衝撃の事実を言った


母も

私を産む前に
堕胎をしていたと



経済的理由で


堕胎をしていたのだと


だから、
堕胎の辛さは
死ぬほど分かっていると…


親子そろって
なにやってんだ??


もうその時点で
私も母も
しゃくりあげながら会話をしていた



母が、ムク太を想う気持ちはよく分かる


けど



『堕ろす堕ろさないは
 ムク太と彼女にしか決定できないことだよ

 ママとかいろんな人を恨まなくていいように

 堕ろしてほしいなら
 ムク太の口から言わせなきゃだめ

 彼女が、ムク太だけを恨めるように

 ムク太はいったい何やってんの?


 赤ちゃんを産んだら自分が死んでしまうっていう
 お産だってあるのに

 彼女自身は産みたいって言ってるんだから
 周りはもう何もいえないよ

 ムク太がここで責任とらなきゃ
 同じ事を何度でも繰り返すよ』


母は泣きながら私の部屋を出ていった


母が息子を愛するのは分かるけど


母が相手の女性に
堕胎をせまったのは
死ぬほどショックだった


堕胎を自分自身で決めた私でさえ
時々不安定になるのに


周囲のせいで
堕胎せざるをえなくなったとしたら
彼女はいったい
何人の人を恨みながら
この先生きていくんだろう


時間は無いんだ


ハム男の声が聞きたくて電話する

出ない
出ない
出ない



声が聞きたい


かかってきた!!


慌てて電話をとる


「新しく見つけたお風呂屋さん行っちゃった〜
 ちょっと狭かったけど
 なかなかよかったよ〜」


お風呂屋さん大好きハム男のほのぼのした声


私が黙ってても

今日食べた夕食のこととか
ポツポツと
話してくれる


いい加減にネタがなくなったので


「じゃあ、明日も仕事頑張ろうな
 おやすみ」


静かに電話を切った


声が聞けてよかった


がちゃ子 |偽写bbs

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