なぜ、夜は 思考を沈めるのだろう。
闇に身を隠す安堵のため? 静まった空気のため?
深く、深く 昼間には到底たどりつけない心の奥底まで 届くように。
昼は、知った顔をしてすましていても、 夜には膝を抱えて座り込んでしまう、自分。
気づいてしまう 本当に自分の望んでいること。
かなわないその想いは どこにも出口がなく いつしか透明になってしまった気がしていたけれど ただ、溶けないものが沈殿しているだけ。
日の光に反射して、昼間気がつかないだけ。 闇に同化して、そこまで沈んでみないと、存在さえもわからないけれど。
ひとりの夜には たどりついてしまう。
どうして、いつも、すれちがってしまうのかな。
こがれる人には、手が届かない。
心を揺り動かす人は、いつも遠い。
確かに、惹かれあうものがあるはずなのに、近づけない。
手が 届かない・・・
与えられない。 満たされない。
欲しい。
・・・
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