楓蔦黄屋
もくじ|←昔のを読む|新しいのを読む→
外の匂いが春になっている。
ヘタしたら一週間ぐらい外に出ないで過ごしているので 外の匂いの変化に敏感だ。逆に。
季節ごとの匂いというのはある。 匂いというのはつまり温度変化がもたらすところが大きいのであって、当然っちゃ当然だ。
雪の匂いなんかもするわけで、しかしそれは雪そのものの匂いではなく 「雪が降るぐらい気温が低いため、外にある物質があまり匂いを発していない状態」の匂いだ。 と思っている。
そして今は春の匂いがする。 まだまだ寒いが、もうそれは冬の寒さではない。春の寒さ。 気温は低いが、これから高くなるときの低さだ。 ぬくみが底上げされている。
春の匂いがするとちょっと憂鬱になる。 切ない、とか言うべきか。
さようならと、緊張する出会いを積み重ねてきた匂いだ。 もう会えなくなってしまった人や、なかなか会えない人に想いを馳せる匂い。
-----
歳時記カレンダー。 3月の「やよい」の由来は、春の陽気で草木が「彌生(いやおい)」茂るという意味だそうで。 なんとなくわかるけど「いやおい」って何だろなと思う。 「うりゃおい」に似てるな。 情緒もへったくれもない。
-----
今日から3月だ。
早い、と思わない。おや。 長いとも思わないが、なんというか、順当な速度で過ぎてる感ある。
楓蔦きなり
|