楓蔦黄屋
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2021年03月15日(月) 壬戌・鯉のぼり

風が強い。

花粉症で鼻の奥の炎症がひどくなって
2日ほど寝込んでしまった。
寝込んだら治った。
薬が欲しかったが近所のドラッグストアには売ってなかった。

たぶん副鼻腔炎というやつだ。
花粉症歴は20年と長いがこんなことは初めてだ。

症状は初めてだが理由は極めて明快だ。

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存在もしない架空の人間の人生に想いを馳せる。
自分の経験と想像をディグる。

目的の島がどこにあるか見当もつかない大海原に
身ひとつで泳ぎ出したようだ。

幸い、私には目的地にたどり着かねばという気負いはない。プレッシャーもない。
それがあったら花粉症どころではないだろう。

いやどうだろう。
そんなものあったってなくたってやることは一緒だ。
私はわりとすぐに逃げるだろう。耐えたって得る物などたいしてない。

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話がそれた。

泳ぎ始めるとかえってスッキリしてくる。

島に着こうと着くまいと
気負いがあろうとあるまいと
泳ぎ続けているうちに
息つぎをする自分以外に世界にはなにもなくなる。

ミクロの世界に焦点を合わせて一人きりで遊ぶ。

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10年前の3月11日から、青い鯉のぼりをたくさん空に泳がせている人たちがいる。

鯉のぼりを空の上から見ている子たちがいる。

知ったからには忘れないでいる。
忘れないために鯉のぼりとお金を送る。

これから毎年、鯉のぼりを見るたびに思い出す。

顔も名前も知らない、たくさんの人たちのことを思い出す。

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ますます自分にしか通じない話し方で日記を書く。


楓蔦きなり

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