2002年06月18日(火) |
勇気凛々ルリの色 四十肩と恋愛 浅田次郎 |
講談社文庫 2000
1995年10月〜1996年10月までに「週刊現代」で連載されていたエッセイ集。
人は本当に歴史的に何があったかなんて忘れてしまうものだと思う。こうして6、7年ほど前のエッセイ集を読むと、時事的問題については、ああ、こんなこともあったなー程度であるのが怖い。
この本はどちらかというと1番目のエッセイ集よりも面白くないかもしれない。固い内容と面白い内容とがあるけれど、私が好きなのはやっぱり時事問題よりもやわらかく面白い内容のほうだな。
時事問題に関して言うと、どうやら住専の損失補てん問題とか、沖縄の軍事基地をめぐる問題(沖縄の少女レイプ事件とか)、血液非加熱製剤の問題とか・・・そういうのがあったようだ。
こうしてあげると、本当にあれから大分経っているのもあるが、人は皆、住専の問題など忘れたと思うし、沖縄の方もアレからあまり変わっていないような・・・。HIV訴訟については、一時期よくTVに出ていた血友病からエイズにかかってしまった彼(名前が出てこない)はどうしているのだろう。まだ生きているのだろうか・・・などと、ちょっと思ったくらいで、本当にニュースにもならないんだよねえ。
でも、住専ってよくわからないのだけど、あのあたりからどんどん不景気まっしぐらというようなイメージ。考えてみれば、私が就職活動のときは氷河期に突入して2年目。その後、超氷河期などがやってきてさらに今でも就職は大変のようだけれど、その数年前はバブル全盛期で、その頃就職活動をした人は数社からの内定を得るのはあたりまえ。断られないように拘束旅行とかそういった類のものが行われ、本当にちやほやされていた。ほんの数年の差なのに。そして、どうやらあの頃、つまり1993、4年あたりからずーっと不景気が続いているのだ。考えてみるともう来年で10年くらいになるんだ。景気の低迷はいつまで続くのだろう。
ところで、私たち世代というのは、ちょうど大学に入った頃がバブル全盛期で、大学生がちやほやされていた。オシャレなホテルに泊まってとか、クリスマスはすごいお金をかけたリッチなことを計画して、アッシーだのメッシーだの複数の男を従わせる女もいた。しかし、私たちが大学に入学すると同時に、ブームは高校生に移ってしまい、援助交際とかそういうことが問題となる世の中に。つまり、何かで読んだが、私たちは一度もちやほやされることなく過ごした穴の世代。そして、ベビーブームで受験や就職も非常に困難を極めた、何となく損な世代・・・。
なんか本を読んでいたらだんだんそんなことにまで考えが飛躍してしまった。
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