感想メモ

2002年06月22日(土) 勇気凛々ルリの色 福音について  浅田次郎

講談社文庫 2001

浅田次郎のエッセイ集続編第3冊目。

 浅田次郎がこのエッセイを書き始めた当初は売れない小説家であった。小説の仕事もするけれど、エッセイも書き、また、競馬関連の記事も手がけ、そして頼まれた仕事は断れず。そうこうするうちにこの3冊目ではついに「鉄道員」で直木賞を受賞し、押しもされぬ売れっ子作家となって、多忙を極める日々が綴られている。

 ということで、どうも今までの2冊とちょっと毛色が違うような気もした。この3冊目のほうが堅苦しい内容は少なく、浅田次郎本人の生活ぶりが面白おかしく綴られているような気がした。

 時事的問題についてはほとんどなかったのだが、消費税が5%に値上がりしたというのがあって、なるほど、そうだったなーと思った。よく考えりゃ不景気のときに消費税を引き上げてしまい、余計個人消費が低迷したんだった。でも、これのおかげで3%の最後の時はみんなが買い物に走ったもんねー。そんなの一時期物が売れたというだけに過ぎなかったわけだけど。

 そして、どうもこのエッセイは次の4冊目で終わりのようだ。やはり多忙すぎて週刊誌に連載するのは大変なのだろうか。書いてある内容を読むと、いつ死んでもおかしくなさそうな感じなので、何となく無理せずこれからもよい作品を書けるようにしてほしいなーとか思ってみたりする。


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