荻原浩 光文社 2018
STORY: 福島の原発事故の後に架空の原発テロが起きた未来の日本が舞台。ヤクザでアル中の及川頼也がその特異な反社会性パーソナリティー障害を治療するために精神病院に治験に行くことなって…。
感想: 久しぶりの荻原浩の小説は、ヤクザで反社会性パーソナリティー障害を持つ男が主人公。そのため、最初から結構ハードな描写が続く。暴力的な描写が多くて、ちょっとそういうのが嫌いな人は最初でダメっぽそう。
私もあんまりそういうのが好きじゃないので、最初の段階でちょっと失敗したかなーって思ってしまった。
が、読み進めるうちに、恐怖を感じないというウィリアムズ症候群という遺伝子疾患を持つ少女と出会って、少しずつ変わっていく様子に少しずつひき込まれてしまった。
あと、精神病院で拘束されたりという描写も物珍しく…。
ただ、どうしてこの少女と出会って、主人公が変わるのかとか、なぜなのかの説明がなくて、そこが少し弱いような気も。そして、終わり方が唐突でまだ続きが読みたいんじゃー!!というところで終わってしまったのも、私的にはちょっとイマイチな感じであった。
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