帰りの新幹線で隣に座った紳士に話しかけられた。 「どこまでいかれるんですか?」 「長野県まで」 本から目を上げて答える。 「私は愛知県の三島に行きます。 今日は広島県で工場を見てきました。」 「そうですか…」
私はこういう感じが何とも苦手だ。 ついつい「名古屋駅まであと2時間一緒なのかあ」 と、思ってしまう。
でも、新幹線で隣り合わせた人は、話しかけなければ他人のまますれ違っていくはずの人だ。 せっかく隣り合わせたのも、何かの縁かな。と思って本を閉じます。
「お国はどちらですか?」 「インドです。インドでIT関係の会社をやっています。」 まあ、インドから…はるばるようこそ。
そう言えば、オーストラリア人の女性と隣り合って、3時間おしゃべりして過ごしたこともありました。 彼女のショッピングの趣味から、その時勤めていた幼稚園の園児の話、オーストラリアにいる彼との遠恋の話まで。
日本人に比べて、外国人の人って、「旅は道連れ」感覚が強いのかもしれないね。 こんなに話し掛けられるなんて。
日本人の人に話しかけられたこと、ほとんどないなあ。 あ、ナツコサンと知り合ったきっかけは、ナツコサンが駅で私に話しかけてきたからだった。 でも、ナツコサンは留学経験が長い、国際派な人だからちょっと例外。
日本人の人に話しかけられたこと、思い出した。 いつものように大きな荷物を持って新幹線に乗り込んだんだ。 結構込んでいて、三人がけの座席の一番通路側をようやく見つけた。 お土産の紙袋と、スポーツバックを棚によいしょと押し上げて、ほっと一息腰をおろそうとした瞬間、 「あぶない!」 キオスクで買ったサンドウィッチを座席においていたのを忘れて座ろうとしたのを、隣の席の男性が止めてくれた。 「あ、ありがとうございます」 なんて感じのいい出会い! だけど、なんだか気恥ずかしくって、結局それから降りるまでどちらからも話し掛けることなく終わってしまった。
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