| 2002年11月22日(金) |
旅に出ます。探さないでください。 |
連休を利用して、旅に出ました。 行き先は、懐かしくて、ほろ苦い思い出の地、萩です。
私が去年まで働いていた学校では、昔から勤労感謝の日は、バザーの日なんです。 一年でこの日だけ、学校が開放されるんです。 そして、生徒も教師も一つになって一生懸命働く奉仕の日なんです。 学校を去って半年、みんなに会いたくなっちゃったんです。
行くまでは、みんなに何を言われるかなー、寒い反応だったらいたたまれないよなー。 って、ちょっと心配していたんだけど、まったくの杞憂でした。 「わー!先生―!どうしたん!」 「へへへー。飛んできちゃったよ。元気にしてた?」 笑顔笑顔の再会です。 去年に比べたら嘘みたいに落ち着いた、っていろんな先生から聞いていたけど、一人一人の顔からもそれは伝わってきました。 2年生になって、後輩ができて、しっかりと自分の足で歩き始めている感じがしました。 ほんとうに、私は嬉しいぞ! 指導する私と、それに反抗する彼女たち。 苦しいこと、悔しいこと、悩んだこと、山ほどあった日々だったけど、後に残るのはいい思い出だけなんだね。 私にとっても、彼女たちにとっても、すべてはいい思い出になって、心から笑いあい、うちとけあうことができました。 むしろ、ぶつかりあったことが多かった子のほうが愛着を感じるなんて知ったら、まじめにいい子にしている子は怒るかな? でも、いい子も手のかかる子も、みーんなかわいいんだよお。
夜ご飯を一緒に食べに行ったのは、勉強が嫌で嫌で、親とも学校とも大喧嘩したすえに夏休み前に退学していったしーやんでした。 しーやんは家庭環境が不遇です。中学生の頃から悪いグループに入っていて、目付きも悪く、すぐに乱暴なことを言います。 でも、根はすっごくやさしい子です。 そして、さびしがりやです。 学校をやめてから、ガソリンスタンドでバイトをしているのですが、ギャル風のコートから出た手のひらは車の油で黒ずみ、水で荒れていました。 「働きものの手でしょ? 私、学校を3年間続けられなかったから今のところは絶対3年間続けるんだ」 体が弱くて、今日も風邪をひいていたのに、無理して、バイトに行って、昼に店長に帰らされたそうです。 そして、夜、何も言わずにやってきてくれたんです。 「だって、これを逃したら、今度いつ先生に会えるかわからんもん」 うれしいね。ありがたいね。 でも、自分のことをしっかり大事にするんだよ。
いつでもべったり慕ってくれなくていい。 「きよこ先生が一番好き!」 なんて言ってくれなくていい。 逆境にあって、苦しくて困ってしまった時、思い出される教師でありたい。 何かのときにはいつでも頼ってね。 私でできることなら、手を貸すから。
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